検索窓
今日:21 hit、昨日:20 hit、合計:210,594 hit

42 ページ43

.





怪我の手当てを終えたらしい実弥が、宇髄と俺の間に割り入る。

実弥は気のせいか、怒っているように見えた。

そんな実弥に、宇髄は面白がるような目線を向ける。



「不死川よぉ、余裕のない奴は嫌われるぜ?」



余裕がない……?

訳が分からず、俺の前に立ちはだかる実弥と、にやつく宇髄を見比べていると、実弥は急に俺の首筋を撫でて。



「さ、実弥?」



宇髄の前で、キスをした。

先程のような腰が抜けるようなのキスではなく、唇と唇が触れるだけの、優しいキス。

しかし、それだけでも、顔が異常に熱いように感じる。それに、胸の辺りが捩れて苦しい。

_____俺達を見守るように立っていた胡蝶、いつの間にか蝶屋敷にやって来ていた伊黒と甘露寺も、その場を見ていた。

伊黒の驚愕した表情が遠目からでも窺えて、さらに恥ずかしさが増す。



「Aさん」



聞きなれている筈の実弥の声が、身体に響いてならない。

真っ直ぐに実弥を見てやれない。

いつの間に、こんな、実弥を意識するようになったのか。



「もう、俺だけの……だからなァ?」



ぎゅっと距離を縮められて、どく、と心臓が跳ねる。

実弥の全てが、俺を可笑しくさせたみたいだ。

これが欲…………なのか。



…………愛していると、互いに言って、キスをした。確かな愛情を感じた。それが、とても嬉しくて、言葉に表せない感情に押し潰されて。



「Aさん、好きだ。愛してる」

「っ……俺も、その…………愛している…………」



皆の前で言うことに恥じらいを感じながらも、こうして、実弥に愛情を注がれると、嬉しくなる。俺も実弥を、そんな気分にさせたくて。



「もう、誰にも渡さねぇ」



_____きっと、初めて感じる、この、色々な感情は。

全てを引っくるめて欲と言い、そして俺は。

……実弥への欲に気づいた俺は。









その欲に、溺れていく_____









fin.













番外でクソ甘々なお話を書く予定。R17くらいまで引き上げるつもりです。
お楽しみに!

?→←41



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (396 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
595人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 不死川実弥 , 男主
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

mikitty(プロフ) - 好きです!!!! (2022年12月25日 13時) (レス) id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
勿忘草(プロフ) - やっぱり何回見ても最高だなぁ、ぐへへ(( (2020年12月19日 14時) (レス) id: 4fc468f2f2 (このIDを非表示/違反報告)
柴犬(プロフ) - 素敵な作品ですね...、愛情表現や色気のあるシーンがすごく好きで一気読みしてしまいました。他の作品も読ませて頂きたいのですがパスワードというのはどちらで伺えばいいのでしょうか...? (2020年5月30日 9時) (レス) id: 87b58a18e6 (このIDを非表示/違反報告)
ohagi - めっちゃ最高でした。自分も腐ってるのでBLの方がよけい萌えました! (2020年3月31日 14時) (レス) id: 8e8ba22e4c (このIDを非表示/違反報告)
ひつじマイケル(プロフ) - お疲れ様です!読んでいてとても面白かったです!よろしければこれの短編集を読んでみたいです! (2020年3月30日 14時) (レス) id: 37a32601d5 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:たつき | 作成日時:2020年2月29日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。