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栗花落がとても心配していた、と、実弥から聞いたので、始めに、急いで蝶屋敷へと向かった。
無事を伝える為だった。
片目がやはり……痛い。
それでも、今、生きることが出来ているのは、心置きなく闘えるよう、場を整えてくれた栗花落のお陰だ。
感謝し足りない。
＿＿＿＿＿向こうを遅い時間に出たので、夜が明けてしまい、結局、蝶屋敷に到着したのは、朝早くのことだった。
「……！Aさん…………！」
顔を出したのは、既に身なりを綺麗に整えていた栗花落だった。何故だか、泣きそうな顔をしている。
「わ、私……すみませんでした……お役に立てず…………」
「そんな訳……！凄く……凄く、助かったよ。栗花落が居なかったら、俺は今頃、生きていなかったかもしれない」
「そんな……」
酷い怪我なので、あまり説得力のある言葉をかけてやれない。凄く助かったのは本当なのに。
どうしたものかと困惑していると、
「Aさん……！」
胡蝶が戸を開けて、屋敷から出てきた。
「よくご無事で。しかし、酷い怪我ですね……」
「いや、でも、向こうで手当てをしてもらって、とても良くなったんだ」
栗花落が落ち込んでいる手前、これ以上暗いことは言ってはいけないと感じ、なんとか濁そうとするが、中々上手くはいかず。
俺の怪我が思っていたよりかなり酷かったのか、胡蝶にしては珍しく驚いた顔を見せ、それと、小さく震える栗花落とを見比べて、再び俺は考える。
と、そのとき、胡蝶が言った。
「カナヲは、夜も落ち着けずに、部屋の中で、今の今までずっと正座をして、Aさんの帰りを待っていたんですよ」
「！本当か」
「はい。ただ、やはり責任を感じていたらしく、カナヲ自身が迎えに行きたがっていましたが。不死川さんが、どうしても迎えに行くと言うので……」
え……？
実弥が……？
「っ…………ま、待ってくれ、その……実弥が、なんて言った」
「？詳しくは覚えていませんが……自分が行かなくてはならない、みたいなことを、言っていらしたような気がします」
実弥……！
お前が迎えに来たのは、そういうことだったのか。
俺はてっきり、お館様から向かうよう頼まれたからだとか、勝手に……
俺は今までに感じたことのない、抑えようもない気持ちに揺さぶられた。
身体中に、血が駆け巡る音が聞こえる。
「＿＿＿＿＿Aさん……顔が、赤いですよ…………？」
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mikitty(プロフ) - 好きです！！！！ (2022年12月25日 13時) (
レス) id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
勿忘草(プロフ) - やっぱり何回見ても最高だなぁ、ぐへへ(( (2020年12月19日 14時) (レス) id: 4fc468f2f2 (このIDを非表示/違反報告)
柴犬(プロフ) - 素敵な作品ですね...、愛情表現や色気のあるシーンがすごく好きで一気読みしてしまいました。他の作品も読ませて頂きたいのですがパスワードというのはどちらで伺えばいいのでしょうか...？ (2020年5月30日 9時) (レス) id: 87b58a18e6 (このIDを非表示/違反報告)
ohagi - めっちゃ最高でした。自分も腐ってるのでBLの方がよけい萌えました！ (2020年3月31日 14時) (レス) id: 8e8ba22e4c (このIDを非表示/違反報告)
ひつじマイケル(プロフ) - お疲れ様です!読んでいてとても面白かったです!よろしければこれの短編集を読んでみたいです! (2020年3月30日 14時) (レス) id: 37a32601d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たつき | 作成日時：2020年2月29日 20時
