【男主】溺欲【不死川実弥】

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＿＿＿＿＿上弦程の力を持たされた鬼を、Aとカナヲで倒したみたいだね。それも…………三体。



お館様の声が、頭の中で繰り返される。上弦の鬼と言えば、今まで、多くの柱を葬ってきた、恐ろしい強さを持った鬼だ。

強さに誤差はあっただろうが、それらを三体、倒すなんて。

あんたって人は…………



「クソ、良かった…………本当に……」

「実弥……」



こんなにも弱々しいAさんを、今までに見たことがない。

……当たり前だ。闘った鬼は上弦並み。三体もいて、生きている方が凄いくらいだ。



「あー…………クソ、本当、Aさんは……無茶、しないで下さいよ…………」

「…………うん、ごめん、な……ごめん……」



握ったAさんの手が、俺の手の甲をスリスリと撫でる。

……もう、色んな感情が混ざって、混ざって。何が何だかわからなくなっていく＿＿＿＿＿





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□大正こそこそ噂話□



Aさんの呼吸は、『漣(さざなみ)』だよ。


●陸の型・巻寧(かんねい)の渦潮
 あらゆるものを巻き込む、大波のような斬り味。荒業に見えて、実はとっても繊細で丁寧な技。

●肆の型・羅酔琉(らすいりゅう)
 思わず酔ってしまうくらい、綺麗で見惚れてしまうような技。


漣の呼吸は、水の呼吸から派生した(という設定だ)よ。

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