【男主】溺欲【不死川実弥】

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「特に問題もなく任務を終えていれば、今日の夕方頃には帰ってくる筈なのによォ」



筈なのに。帰ってきていない。

自分の発した、「特に問題もなく」という言葉が頭に引っ掛かる。



＿＿＿＿＿直ぐ、戻ってくるよ



アンタ……そう言って、俺の頭、撫でたじゃねぇかよ。

早く、帰ってこいよ…………

畳を背に仰向けになって、Aさんから預かった首輪＿＿＿＿＿と言っちゃァ、犬猫に付けるアレに聞こえてしまうが＿＿＿＿＿を、天井にくくりつけてある薄明るい光にかざす。

これ……俺が初めてAさんに出会ったときから、首に付いていたやつじゃねぇか。

あの、細く、白い…………噛みつきたくなるような首に。



「会いてェ…………」



心臓が縄で縛られたかのように苦しい。

次、Aさんを見たときには、もう歯止めが効かないかもしれない。そうなってしまう前に。

……言おう、全て。

自分の想いを、隠すことなく。



＿＿＿＿＿今までは、Aさんの優しさに甘えてきた。

一時でも離れることが嫌で、引き留めるようにした俺の強引なキスにも、Aさんは何も言わなかった。

もう、俺の気持ちには気付いているだろうに。

……何も思わなかったかも知らん。

兎に角、次に会ったら、必ず言おう。

男なら、覚悟決めろよ、不死川実弥ィ。

俺は首輪をしまうと、目を閉じた。





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□大正コソコソ噂話□

実弥の口調が大変迷子なのには、作者がナレーション(？)を実弥にさせてしまっているからという理由があります。

でもでも、いつもの調子でナレーション(？)なんかしたりしたら、

今まではァ、Aさんの優しさにィ、甘えててきたァ

……てな感じで、ヤバめの小説ができあがっちゃうんすよね……作者が不甲斐なくてごめん

正直カナヲもヤバイかな、と思ったりしたけれど、18〜19あたりで結構喋ってて(しかも、童磨に下衆とか言うほどにお口がお達者で)ホッと安心しました。んんーカナヲかっけぇ。

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