巫山戯るな。 ページ38
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炭治郎side
藤香さんの話は散々だった。
『鬼殺隊になってから、色々な鬼を見てきた。
何が起きているのか分からない、何も知らない、
それなのに斬られる鬼をたくさん見てきた。
でも、私はそんな鬼も斬った。
助ける方法を知らないから。』
と、藤香さんは言った。
その後も続けて彼女は言う。
『鬼舞辻無惨に無理矢理鬼にされた人なんて
数えきれないほどいる。
でも、
鬼は可哀想?
鬼は悲しい生き物?
巫山戯るな!!!!』
藤香さんが怒鳴った。
藤香さんは誰よりも鬼を想っている。
そうとしか思えなかった。
『鬼は、人の心の悪から生まれたものだ!!
そもそも、人なんざいなければ鬼は生まれることなどなかった!!
可哀想?悲しい?
そんな言葉で言われるものじゃない!!
人が償わなければいけない罪なのに...!!
誰もそんなこと思っちゃいない!!
挙げ句の果てに全てを鬼舞辻無惨に負わさせる!!
鬼舞辻だって誰かを恨み鬼となったんだ!!』
『鬼殺隊の奴らになんか分かるわけがないよ、私の気持ちなんかが..。
私が鬼にならなかったのが不思議じゃないくらい..。
家族からも周りの人間からも誰からも助けてもらえずに、
人に嫌われ、鬼になってもそれでも人を愛す心優しき鬼に助けられた。
分かるわけないさ。
誰にも。』
何も言えなかった。
そして、
『御免ね、悪いけど今日は帰ってくれないかな。
それと、今日話したことは他言無用で。』
と、返されてしまった。
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それ以来、藤香さんには会っていない。
蝶屋敷に来ることもなかった。
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