ふたりの世界。 (ページ9)

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蘭「なんか最近Aおかしない？」

お弁当を食べながら蘭にそう訊ねられる。

「おかしない」

蘭「ヘッタクソな関西弁やな～、いや絶対おかしいって」

「 ……おかしいのかな」

蘭「おん、変やで。なんかあったん？」

「私、気になる人いる、」

自分で言って恥ずかしい。

蘭「？！誰やねん」

「 …人気者で、よく笑って、人のことよく見てて、面白くて、私なんかにも優しくしてくれて、」

蘭「じゃあ…好きってなったら、名前教えてな？」

「うん、ありがとう」

今日、日直の私は先生に呼び出されていたことを思い出した。

「やば、行かなきゃ。ごめん先生のとこ行ってくる！」

お弁当を勢いよく食べ終え職員室へ向かった。

「 …あ、」

藤原くんが友達何人かと話しながら笑ってた。

話しかけていいものなのか、

私の視線に気づき藤原くんと目が合った。

藤「あ、春崎！……って(笑)どこのヤンキーですか(笑)」

友達と話途中だったろうに藤原くんの方から声をかけてくれた。

「これは先生が無理やり貼れって… ヤンキーじゃないから！(笑)」

私のほっぺに貼られた大きな絆創膏を見て笑う藤原くん。

笑ったらなんだかいつもより優しく見える。

そんな笑顔を私に向けられていることが、奇跡に等しい。

藤「じゃあな～もうあんま悪いことしたらあかんよ！」

「だから違うって！」

ふざけてるのに、最後の手の振り方は素で、

優しい顔で笑っていた。

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