ふたりの世界。 (ページ12)

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「ちょっとだるいから保健室で寝てくる」

蘭「風邪？大丈夫？」

「うん大丈夫だよ！昼に戻ってくるから～」

とは言ったものの別に体がだるいわけでもなく、強いていえば心がだるい。

最近藤原くんのことばっか考えてる。

キーンコーンカーンコーン＿＿＿

授業が始まるチャイムが鳴った。

保健室に来ると小さなホワイトボードに、

” ただいま出張中 ”

と書いてあったが、ドアノブを捻ると鍵は開いていて中に入ることが出来た。

独特の薬品の匂い。

ベッドに横たわっても眠いわけじゃないから全然寝れない。

起き上がってソファに座る。

「はぁ～、ふかふか～」

置いてあった本をパラパラと読み出す。

なんて居心地がいいんだ。

時間がゆっくり流れていてリラックスできる。

最高な時間だ。

ガチャ＿＿＿

扉が開いた。

やば、誰か先生来たかも。

そう思ってその人物を見ると、

「あ、」

藤「！？びっ……くりした～！」

私の悩みの元凶が来た。

突然の藤原くんの登場に体は正直なもので、ものすごくドキドキしている。

藤「春崎もサボり？」

「あ～、…うんそんなとこ」

藤「うっわ～悪！」

「藤原くんもじゃん！」

ベッドに向かうと思いきや私の正面の椅子に座った。

わあ、なんか地味に近い。

藤「保健室の先生こんなの読んでんな～」

と心理学の本を読む藤原くん。

まつ毛、長～…。

絶対私よりボリュームあるし長い。

髪の毛もサラサラだし。

なんか、胸がきゅーってなる。

藤「ん？」

「 …や、」

藤原くんは私の視線に気づいて顔を上げた。

その表情さえかっこよかった。

から、戸惑ってしまった。

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