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授業をサボるなんて、半信半疑だったけど
「ちょっと、待っといて？」
そう言って5分後。戻って来た彼の手には、2人分の鞄
学校から少し離れた、ショッピングモールのゲームセンターで、ひとしきり遊んで
「なんか、ありがとね？これ」
私の手の中には、小さな犬のぬいぐるみ
「まさか、あんな上手く取れるとわな」
「流石、慣れてる人は違うね」
「あぁ？別に慣れてへんし。ゲーセンなんて…いつぶりか分からへんほど来てへんけど？」
「そうなのっ？私 てっきり…」
「学校サボって、よぉ通ってるとでも？」
「うん」
「俺、授業サボるとか、今日が初めてやし」
「ウソッ」
「ウソちゃうわっ！」
「フフッ……ごめん」
「……………」
「ぅん？どうした？」
「やっ。良かったな、思って」
「何が？」
「ここ来るまで、すんごいしんどそうな顔、しとったから。笑顔になって、良かったわ」
そっか。落ち込んでる私のこと、心配して連れ出してくれたんだ
「……ありがと、ね？」
「い〜え〜」
「案外、優しいんだね 安田くん」
「“案外”は、余計やわっ」
「へへっ……うん」
当たり前の様に、同じ方向の電車に乗り込んだ私達
「安田くんって、お家 どこなの？」
「うん？俺は…」
彼の口から出た地名は
「なにっ？反対方向じゃん。なんでこの電車、乗ってんの？」
「そら。可愛い彼女を、ひとりで帰らせる訳にはいかんやろ」
これまで、お付き合いした人は、何人かいた。けれど
こんなに“可愛い”なんて言ってくれる人も、反対方向なのに、家まで送ってくれる人も、いなかった
仮の彼氏だけど、安田くんの優しさに中々慣れなくて
「そんなのっ、いいのに。私1人で帰れるしっ」
憎まれ口 叩くばかり
駅までで大丈夫って言ったのに、もう暗くなるからと、結局家まで送ってもらって
「じゃっ、また明日」
駅に戻っていく背中を
「ねぇ！」
呼び止めた
「明日、お昼…」
「ん〜？」
「持って来る？」
「なんで？」
「お弁当……作ろっか？」
「俺の？」
「うん。今日の、お礼？」
「……卵焼き、入れて」
「……わかった」
家に帰って、安田くん用のお弁当箱探しながら
「ふふっ……」
“卵焼き”って……
始めは、とっつきにくい人だと思ったけど、子供っぽいとこもあるんだ
明日は、ちょっと気合い入れてお弁当作ろうかな？
仮にも一応“彼氏”だし……
って、私 なに考えてるんだろう
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ちか(プロフ) - 蛍さん» 蛍さん、コメントありがとうございます。お褒めの言葉、嬉しい限りです。今後の2人ですが…只今、他のお話を抱える身。2人の行く末は、蛍さんに、お任せいたします^ ^存分にイチャコラさせてあげて下さい(笑)最後までお読み頂きありがとうございました (2019年3月15日 8時) (
レス) id: 19b6facfd4 (このIDを非表示/違反報告)
蛍(プロフ) - とてつもなく面白かったです！！もしよければ付き合ってからのデートのお話など読みたいです。 (2019年3月15日 0時) (レス) id: aeb6f4aca7 (このIDを非表示/違反報告)
ちか(プロフ) - なっかさん» なっかさん、コメントありがとうございます。あまり学生ものを読まれないとの事。私のお話で大丈夫なのか？とドキドキしながらの更新でした。最後まで飽きずにお付き合いいただけると嬉しいです^ - ^ (2019年3月15日 0時) (レス) id: 19b6facfd4 (このIDを非表示/違反報告)
なっか(プロフ) - コメント失礼します！普段あまり学生物の小説を読まないのでとても新鮮な気持ちで読ませて頂いてます！これからも更新待ってます(^^) (2019年3月14日 15時) (レス) id: c94037b149 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちか
| 作成日時：2019年3月14日 0時
