くろすけ。 ページ9
疲れたんだ。もう。
何もかもに。
ある時は、家のベランダに足をかけている自分がいる。
またある時は、毛糸を首に巻いて椅子にくくりつけ、だらんと全身の力を抜く。そして、だんだんとボヤ付いてくる頭に微笑みを浮かべている自分がいるんだ。
まあしょせんボクには勇気がないからいずれも途中でやめるのだけど。
神様とやらがいるのであれば、文句を言いたいもんだ。
なんでボクが産まれるように仕組んだ。
なんでボクにはなにも与えなかった。
周りのみんなはなんで
なんでボクは笑えないの。
ボクはマリオネット。
感情を持たないマリオネット。
そら、ご主人の命令が聞こえたぞ？
ほら、心ではNOって言いたいのに、
体がいやいやでも勝手に動いてる。
なんでNOって言わないかって？
ボクの言うことは大抵間違ってるからさ。
ボクは悪者。ご主人は正義。
悪者が何か言っても、誰も信じないだろ？
だから、足掻くのをやめたの。
心のうちの自分を、殺したの。
そしたら、なーんにも無くなった。
でも、なーんにもないと、周りから見たらただのへんな人でしょ？
だから、ボクは大丈夫って名前の仮面を今日もかぶるの。
大丈夫、大丈夫、大丈夫。
周りが心配しても、
大丈夫、大丈夫、大丈夫。
これくらいのわがままは言っていいでしょ？
そんなある時、ボクの大切な人が、ボクと似たような理由でしばらく行方を消した。
ま、本人からしたらお前と一緒にするなって思うかもだけど。
悲しかった。消える前に残した言葉から、もう帰ってこないんじゃないかって。
その人は帰ってきてくれた。嬉しかった。ただただ。
いろんな人がその人が帰ってきたことを祝った。
そして思ったんだ。
ああ、ボクもこんな風に大事に思ってくれる人が欲しいなって。
でも、叶わないよ。
ボクが消えたって、悲しむのは一部の人、一時だけでしょ？
いつかは悲しんでた人も
世界の歯車は決して狂わない。
だったら、もういいかな
なんて思ってるボクの独り言。
読んでくれてありがとうございました。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 8人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「オリジナル」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
輪咲(プロフ) - この作品に参加しても宜しいでしょうか (2020年2月21日 23時) (
レス) id: 3696be6d88 (このIDを非表示/違反報告)
あに - 夜遅くに申し訳ございません。この作品に、参加させてもいいでしょうか…？ (2019年12月23日 22時) (レス) id: eb14e60512 (このIDを非表示/違反報告)
ゆみか(プロフ) - 山犬さん» ありがとうございます！ (2019年11月30日 11時) (レス) id: bac69d1b88 (このIDを非表示/違反報告)
山犬 - ゆみかさん» 返信遅くなってすみませんっ！編集どうぞ。変わってしまっても大丈夫ですよ。 (2019年11月30日 10時) (レス) id: b8d496b207 (このIDを非表示/違反報告)
ゆみか(プロフ) - すみません。書き直してもいいですか？思いっきり内容変わってしまいますけど… (2019年10月17日 22時) (レス) id: bac69d1b88 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：山犬 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org./u.php/hp/2018821/
作成日時：2019年3月21日 22時
