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君の世界に | yh ページ5

等間隔で並べられた街灯。
心地良い水音。
頰を撫でるだけの風。

まるでドラマに出て来そうな綺麗な土手を歩く影2つ。


『夜にここ通るの好き』
「良いよね」


5歩程先で軽めのステップを踏みながらくるりと回るA。
そんな彼女の言葉に答えつつその姿を眺める。


『ドラマみたいじゃない?この雰囲気』
「それ、俺も思ってた」
『え!そうなの?!ふふっ。考える事一緒だね!』


同じ事を考えていた事が嬉しかったのだろう。と、思いたい。
だって俺が嬉しかったから。

だからちょっと、自分も軽くステップを踏んでAと同じ事をしてみる。


『洋平君がスキップとか珍しい!』
「何となく、ね」
『へへっ。けど、ちょっとだけ下手くそ』
「うるせい」


Aの言う通りどこかぎこちないけど。

それでも優しく笑う彼女にまた心が弾む。
2人の足踏みの様に。

ふと、足を止めた。


このまま君の世界に

このまま一緒に生きていけれたら

どれだけ素敵で幸せな事だろうか

流れ行く日々に切り取られても

君がいるならそれだけでいいや


なんて思ってみたりした。

これから先どうなるかなんて俺にもAにも分からない。


だけどこれから先も一緒にいれたらな。


ただそれだけ。


『よーへいくーん、どうしたの?』


足を止めていた俺の姿を不思議に思ったのか、彼女もまた足を止めて名前を呼ぶ。


「ん?え、あぁ。何もないよ!」


恥ずかしいから考えていた事は自分の中だけの秘密。


『アイス溶けちゃうよ』
「そうだね。早く戻ろうか」
『皆んな起きてるかな?』
「んー。多分」


HAPにいる皆んなが寝てるか否か。
そんなたわいも無い事を話しながら今度は隣に並んで帰る。





そんな夏の終わりの熱帯夜。





.





King Gnu「it's a small world」

唆られるから | tn→←こんな時間がいつまでも | di



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hmbmnm(プロフ) - みゆきさん» ありがとうございます!ぜひこれからも読んで頂けると嬉しいです! (2019年9月11日 23時) (レス) id: ae8a7f24d9 (このIDを非表示/違反報告)
みゆき(プロフ) - 短編なのにすごくストーリーに引き込まれます!これからも楽しみにしてます! (2019年9月11日 23時) (レス) id: cd48acf0d6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:hmbmnm | 作成日時:2019年9月9日 19時

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