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安田さんが出ていった扉をぼーっと見ていたら大倉さんの低めの、でも温かい声が聞こえた
大「ヤスってほんまうるさいよなぁ？」
「ふふ(笑)仲良いんですね」
大「おん、まぁ仲はええかなぁ…あ、なぁなぁ」
「はい？」
大「聞きたいことあんねんけど、聞いていい？」
「はい…」
大「俺とヤスが付き合ってるって噂あるってほんま？」
「あ…」
そう言えばそんな噂を聞いたことがある
思わず顔に出てしまって気まずい状況に大倉さんを見れば、
…あれ？笑ってる…
「え、えーと…」
大「あ、ほんまなんやな(笑)」
「…すみません」
大「なんで桜ちゃんが謝るん？(笑)」
「いや、なんとなく…」
大「ま、ええけどさぁ…」
「…嫌、じゃないんですか？」
大「んー、そう思いたいなら思えばいいと思ってるかなぁ…俺は。表面しか見てへんやつに興味無いし。」
そう言った大倉さんの言葉に棘を感じて身を竦ませた
大「あ、ちゃんと前向いてな？」
「…すみません。」
大「可愛い顔、火傷させたくないしな？」
大倉さんの長い指が私の首を持ち上げたあと、残ったサイドの髪をコテで巻き始めた
大倉さんも安田さんも…今みたいな極上の甘い言葉を掛けてくれるけど、あいにくそれに答えるスキルは持ち合わせていない私は黙るしかない
愛華さんなんて、どんな言葉をかけられるんだろう…
それは想像以上の口説き文句かもしれないな、なんて考えていた
大「桜ちゃんてホンマに嘘つかれへんよな(笑)」
「え？」
大「表情で分かるから安心やねん」
「へ？表情？」
大「そ(笑)出会った頃となんも変わってない(笑)」
そんなに顔に出るんだろうか？
考えたことなかった
あ、そう言えば櫻井さんもそんなこと言ってたような…
大「また百面相してる(笑)」
「…そんなに分かりやすいですか？」
大「おん、絶対隠し事は出来ひんやろうなって思ってる」
「そう、ですね(笑)」
大「そのままでええよ、桜ちゃんは。そのままでおってな？」
「…えっと…」
大倉さんに言われた言葉の意味がよく分からなくて聞こうとしたけど、
両肩をぽんと叩かれて今日も可愛いで？って言葉を掛けられて飲み込んだ
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作者名：はーちゃん | 作成日時：2019年11月19日 20時
