住む世界 ページ7
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布団に入って、甘い香りに包まれながらあぁ寝れる…と思った時に頭に響くバイブ音に眉間のシワが寄った
スマホを見れば、知らない番号…
そのまま伏せると無視を決め込んだ
この仕事を始めてから知らない番号からの着信なんて珍しくない
…なにか用があるなら何度でもかかってくるもんね
ひとしきり震えた後、静止したのを見てふ、と息を吐いた
もう一度目を瞑ったところでまた聞こえたバイブ音にため息が出た
もぉ！
ガバッと枕から顔を上げると鳴り止まないスマホを握りしめた
…裏返せばさっきと同じ番号で、そのまま出ることにした
「はい…」
？「あ、もしもーし？」
なんか上機嫌な見知らぬ人の声にひっそりと眉を顰める(絶対酔ってるな)
「あの…」
？「ん？」
「ごめんなさい…登録されてなくて、あの…」
？「はい？」
「どなたでしょう？」
電話越しに聞こえたぶふって吹き出した後、噂通りじゃんって笑い声(噂通りってどういうこと？)
「イタズラなら切りますよ？」
？「あー、ごめんなさい(笑)ちょっと待ってくださいねー」
電話の奥からガヤガヤ音がする
「あの…」
「あー、もしもし？」
聞こえた甘い声に思わず息を飲んだ
この声は…
「…櫻井さん？」
翔「そうです(笑)ごめんね、こんな時間に」
「いえ、連絡来ると思わなくて…あの、」
翔「仕事終わった？」
「…はい」
翔「あ、もしかして寝ようとしてた？」
「…そうですね」
翔「そっかぁ…」
「いや、えっと…あの…」
翔「くくっ(笑)」
嬉しそうな笑い声が聞こえて、残念そうな声にあたふたしたちょっと前の自分を呪いたくなった
翔「まぁいいや(笑)これ、俺の番号だから登録しといて」
「はい、分かりました…」
翔「おやすみ」
「おやすみなさい…」
電話を切っても耳の中を擽るような甘い声が離れなくてしばらく眠れなかった
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作者名：はーちゃん | 作成日時：2019年11月19日 20時
