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ーClub Mintー
ここはわたしが働く高級クラブ
小さな小さなわたしの世界
在籍人数はもうすぐで3桁に届きそうなぐらいの大所帯
そんな中でもわたしは中間よりも下にいる
むしろ下から数えた方がいいくらい
至って普通で、キャバ嬢にしては地味
こげ茶色の髪、スタイルがめちゃくちゃ良いわけでもない
職業を答えて驚かない人は居ないほど
キャバ嬢と言えばNO.1の愛華さんがいい象徴で
明るい髪色に抜群のスタイルで雑誌への掲載は当たり前
一夜にして最高売上は8桁はくだらない
それなのに…
今、目の前で美味しそうにビールを呑むこの”櫻井翔”という男は「用はない」とそう言ったの…？
翔「突っ立ってないで座ったら？」
その一言でまだVIPルームの入口で固まってたことに気付いた
「あ…はい…失礼します。」
翔「違うでしょ、こっち。」
ヘルプ席に付いたわたしを見て、立ち上がった櫻井さんはわたしの手を引いて隣に座らせた
「すみません…つい癖で」
翔「名刺は？」
「あ…桜です。よろしく、お願いします…。」
櫻井さんの一言に、慌ててそう名刺を渡せば…一瞬驚いた顔をした後、すぐ真顔に戻すと、名刺の裏を見て突き返された
「え？」
翔「ケータイ番号」
それだけ言うと、顎をしゃくった
つまり番号を書け、とそういうことね
色々衝撃的すぎて、本当にテレビで見る彼と同一人物なのか疑いたくなった
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作者名：はーちゃん | 作成日時：2019年11月19日 20時
