13話 ページ14
我々国は立て続けに幹部を失うという大きな痛手を負った。
幹部は常人とは比べ物にならない程強い。
それこそゾムは我々国最強と謳われ、ショッピ君は他の幹部より年下だがオールラウンダーで周りに引けを取らなかった。
幹部の存在は大きく、それこそ一人で一部隊の力を上回る戦力。
それが二人もいないとなるとその分の戦力を補う必要がある訳で。
しかし、そんな戦力は直ぐに用意することができない。
そうなることを見越していたかの様に敵国＿＿＿ノワード国は攻め込んで来た。
何とか持ち堪えてあと少しで押し返せそうだという時だった。
そう本当にあと少しだったのだ。
儚い希望は打ち砕かれた。彼らの未来と共に。
グルッペンが、死んだ。
敵の兵は城まで攻め込んではいなかった。
スパイがいたのだ。
それが我々国のメイド長ローレン・ベイリー。
彼女はノワード国の幹部だった。
身分も名前も姿も変えて、ずっと彼女は仕えている“フリ”をしていたのだ。
見事なものだ本当に。
数年間もの間、幹部全員を騙してついには国のトップの命を奪った。
とてつもなく優秀な女。
彼らは彼女のことを信頼していたのだろう。
建国当初から城で働き、陰で国を支え続けてきた人物。
だからこそ何の疑問も持たなかった。
彼女が総統室に足を踏み入れたことに。
それでもグルッペンの護衛をしていた優秀な外交官、オスマンは直ぐに気が付いた。
何の声掛けもせずに彼女が入って来たことに。
本来であれば入室の許可があってから開くはずの扉。
何故彼女は入室できた？
答えは簡単。
扉の両隣にいた衛兵を彼女が殺したからだ。
その結論に辿り着くまでは時間が掛からなかった。
が、所詮外交官。
いくら優秀でも非戦闘員である彼に勝機は無かった。
オスマンは殺された。
そこからはあっという間で、どこから現れたのかも分からない軍人にグルッペンは拘束されてオスマンと同様に殺された。
それを私は呆然と眺めることしかできなかった。
あの時あの場所に、総統室にいたのに、彼らが死に逝く様を見ていることしかできなかった。
自分の無力さが悲しくて腹立たしくて。
どうして十数年しか生きられない私よりもずっと長生きする彼らの方が先に死ぬのか。
理解ができなかった。
残りの幹部も死んだらしい。
自害したのか、殺されたのかは分からない。
ロボロは私にそれだけ伝えて、皆の後を追ってしまった。
「ゴメンな」と一言残して。
城には私一匹が取り残された。
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アイス食べたい(プロフ) - 宇琉夜ハルさん» cnが含まれていないのは「現段階」では本編に登場しないからです。ネタバレになるので詳細を伝えることは出来ませんがcnは後々出てくるので楽しみになさってください。 (2021年7月17日 1時) (
レス) id: 6cf21ff731 (このIDを非表示/違反報告)
宇琉夜ハル(プロフ) - この小説に入ってるかどうかわからないんですけど18話でciノさんの戦争狂の総統みたいな書いてないです (2021年7月17日 1時) (レス) id: c64b9591b6 (このIDを非表示/違反報告)
アイス食べたい(プロフ) - 宇琉夜ハルさん» わー！！恥ずかしい誤字をしてますね！！syh誰だよ！？全然気付いてませんでした(^^;)即刻修正いたしました。ご指摘ありがとうございます！ (2021年7月17日 1時) (レス) id: 6cf21ff731 (このIDを非表示/違反報告)
宇琉夜ハル(プロフ) - 10話でshpさんの名前違いますよ！(syh｢｣となってます！) (2021年7月17日 0時) (レス) id: c64b9591b6 (このIDを非表示/違反報告)
なな - 面白いですね。応援しているので頑張って下さいね！ (2021年6月13日 15時) (レス) id: eb678d68cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：作者 | 作者ホームページ：https://twitter.com/1126_aisu
作成日時：2019年7月26日 10時
