アメノチハレ

03.D ページ3

〆．



ぶっちゃけ言うわ。



親が決めたことやけど、俺は婚約者であるAのことが好き。マジで。



いや、惚れんやつおる！？



可愛ええし性格もええし家事得意やし！！



最高すぎんか！！ありがとう親！！！！



ほんで、今やってな？



教科書忘れたフリして机くっつけるやろ？



めっちゃ距離近づくやろ？



もう……横顔が、なっ！



んで、綺麗な手ぇしとるから思わず握ってもて、ついでに指とか絡めて？



しー、ってしたら、Aもしーって。



いやいや可愛すぎるやろ！キュン死するわ！！



しかも板書せなあかんねんけど、俺、Aの利き手握ってもてさ。



やのに一回離して、反対の手でまた握ってきてん！！



離したくないってことやん？！もー、好き！！



「…………重岡ー、次の文章読んでみぃ」



「へあっ？！ひゃい！！」



俺の声に、クラスメートは爆笑。



「んああ、と……」



「ここ、次の段落からね？」



Aが文字を指さす。



「おお！ありがと！」



心臓バックバクやけど、Aは平気そう。



やっぱり俺の片想いなんやろうか。



なんて、不安になった。



………………そら、恋愛結婚やないから気持ち無くて当たり前やけど、さ。



〆．

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