アメノチハレ

13. ページ13

〆．



藤井くんの言葉を遮るように聞こえてきた声。



「っ、」



あまりにも近い距離にいた藤井くんが、誰かによって後ろに引っ張られる。



もちろんその誰かは、



「同盟解消なんか許されるわけないやろ？」



私の婚約者なんだけど。



「お、旦那のお出ましやな」



「はっ、はぁ！？何言うてんねんあほ！！だ、旦那て、」



「いや、お前動揺し過ぎやろ。中間のこと好きやって言うてるようなもんやな」



「、」



藤井くんの容赦ない言葉に、大毅くんは口をぱくぱく、私は唖然。



顔はきっと真っ赤だろう。



…………大毅くんは、婚約者の段階だけど図星って思ってるんだろうな。



きっと彼は私のこと好きじゃないし、今慌ててるのは何とか関係を隠そうとしているだけなんだろう。



「藤井くん、決めつけは良くないよ。重岡くん困ってる」



「そ？」



「重岡くんにはもっと素敵な人が似合うと思うし……ね？」



これは本音だ。



「あ、もうすぐチャイム鳴るよ？」



無理やり笑んで、二人に背中を向けた。



なんでか胸が痛かった。



〆．

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