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「あのさ、、」
全ての謎を解決して一人で納得していると聞こえてきたのは、遠慮がちな声。
「もしかして、Aも今日が誕生日なの?」
「いや、そうなんですけど……。
あの本当にDAIKIさんも?」
「普段お客さんには絶対に見せないけど、今日は特別ね?」
彼が私の疑いに人差し指を唇にあてながら、もう片方の手をジーンズの後ろポケットに伸ばす。
出したのは高そうな黒革の長財布。
“こういう仕事ってやっぱりお給料がいいのかなぁ”なんて呑気に考えていたら、ヒラヒラと私に見せてくれた小さなカード。
「ほら、正真正銘4月15日生まれ。
本日で28歳になりました有岡大貴です!」
彼が見せてくれたのは運転免許証。
そこには、目の前のニコニコじゃない真面目な顔した
DAIKIさん
そして……
“有岡大貴”
“1991年4月15日”
「ほんとだ……。」
「でしょ?」
彼が向けるのはイタズラが成功した子供みたいな笑顔。
「そしたら、今日は二人でお互いの誕生日祝おうぜ。」
「でもまだ私あなたと過ごすなんてっ、、」
「なぁA?」
少しだけ距離を詰められて、さっきより近くなる大貴さんの身体。
それに、戸惑っているとサラサラと優しく頭を撫でられる。
「大貴さん!?」
いきなりのスキンシップに火照る頬。
それにさっき見せてもらった免許証で確認した彼の本当の名前。
もう、私の中では“DAIKIさん”じゃなくて“大貴さん”になっちゃって一気に近くなる錯覚。
「忘れたの?
俺、10分前からAの彼氏なんだよ?」
「いや、でもそれは大貴さんは仕事で……。」
「関係ないよ。」
「へ?」
「Aの彼氏なんだから、彼女の誕生日祝わせてよ?」
大貴さんが甘く紡ぐ“彼氏”て言葉
ニセモノの彼氏だって頭ではちゃんと分かっている。
なのに……
さっきまでの子供みたいな笑顔とは真逆の男らしい微笑みに不覚にも胸が甘く苦しくなるの。
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☆☆さお☆☆(プロフ) - きんぐとるさん» コメントありがとうございます!そして返信が遅くなり申し訳ありません>_< 皆さんにたくさんキュンキュンしてもらいたくてこのお話を書いているのでとっても嬉しいです! 今は他作品との兼ね合いでゆっくりですが、更新頑張ります。 (2019年8月10日 22時) (レス) id: a03ad133de (このIDを非表示/違反報告)
きんぐとる - キュンキュンしてしまいました!!次の更新楽しみにしてます!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! (2019年7月29日 23時) (レス) id: fcf34ec103 (このIDを非表示/違反報告)
☆☆さお☆☆(プロフ) - 有颯さん» ありがとうございます! いっぱい甘くてちょっと切ないがこのお話のテーマなのできゅんと切なさを感じていただけてとっても嬉しいです(^^) この先も色々な展開を用意しているのでこれからも宜しくお願いします! (2019年6月17日 19時) (レス) id: a03ad133de (このIDを非表示/違反報告)
有颯 - 初コメ失礼します 、!! この作品 、切なめ で なおかつ きゅんきゅん して とっても お気に入りです 、大変 だと 思いますが 、更新頑張ってください ! 楽しみ に してます !! (2019年6月16日 20時) (レス) id: cc82cfbdba (このIDを非表示/違反報告)
☆☆さお☆☆(プロフ) - A氏のよめ。さん» コメントありがとうございます! 更新スピードもゆっくりで時間もバラバラですがこれからもこのお話を宜しくお願いします>_< (2019年6月3日 20時) (レス) id: a03ad133de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:☆☆さお☆☆ | 作成日時:2019年4月13日 0時