どうしよう、君が欲しい (ページ21)

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DAY20:晴れ間ページ21

嵐の後は良い天気

DAY20:晴れ間

「AAA！！！」

授業の準備をしていると、友達の真和(まわ)がバタバタと私の名前の連呼をしながらやって来た。

『ど、どうしたの・・・？』

「どうしたのじゃないよ！あんた畑のメンバーなの？！」

真和の勢いと内容に驚いてしまい、びくっと肩が揺れる。
そう。真和はYouTubeが大好きで、私にYouTubeの事やYouTuberの事を毎日話しに来ていた人物である。
そのおかげで私は、はじめさんや畑の名前を知っていた。

『あー・・・うん。実は・・・』

「えーーー！羨ましいーーー！いいないいなーーー！だって畑の皆んなといつでも会えるって事でしょ？！羨まし過ぎる！！！」

『ま、まあ、そうなるね。人生どうなるか分からないもんだね』

「ねー。でもまあ、Aは美人だし、写真上手だし、映像作るのも上手だからな～。本当羨ましいけど、Aならいいや！」

真和の言葉にまた胸が打たれる。
こういう様に応援してくれる人がいるのなら何とかやって行ける。そんな感じがした。

「顔出ししたし、これから色々大変かもしれないけど、やるなら楽しむんだぞ！何かあったら相談に乗るし、私はAの味方だからね！」

『真和・・・。いつもありがとうね』

「当たり前よ！いつからあんたと一緒にいると思ってんの！」

『小学生の時から』

「何があっても縁切るつもりない位には私、Aの事好きだからね」

『あらやだ。男前な事』

「でもいつかサイン貰って来てもらおうかな」

『・・・善処します』

真和にはいつも救われてばかりだ。

ー

「Aー」

授業が終わり、先生に呼ばれた。
先生の元へ行くと1枚の紙を渡された。

「この前預からせてもらった写真あったろ？」

『あ、はい』

「あの写真、出来が本当に良かったから勝手にコンクール出させてもらった」

『え？！？！？！』

あっはっは、と笑いながらさらっととんでもない事を言う先生。
コンクールとか知らないし聞いてないし、あるならあるなりに声を掛けてくれよティーチャー。

「で、その紙ちゃんと見てみ？」

先生が紙を指差す。それに従い、目線を紙に移すと。

“ 最優秀賞 �短 A 殿 ”

『え』

「やっぱりお前は才能がある。おめでとう」

思いもよらなかった結果がそこにはあり、驚きと同時に嬉しさが押し寄せる。

パッ、と、畑の皆さんに伝えたいと思い浮かんだ。

その理由に気づくのはまだ少し後の事。

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