鬼滅の少女騎士【鬼滅の刃】 (ページ32)

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30話ページ32

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それと前の話『29話』に修正をいれました

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「答えられないか。まあ、想定の範囲内だが」
『…………』

▪▪▪

　─あれはいつだったか。
たしか、あの悲劇が起きる数ヶ月も前の事。

　炭治郎と炭売りで山を降りた時、私はとある老人と出会った。その時炭治郎とは別に行動していて、私はまた炭を買いたいという彼の家までついていくことなった。

　山を降りる度に炭治郎ではなく私に話しかける老人。最初は妙な違和感を感じたけど。それも繰り返し何度ともなれば何れは慣れるもの。

　いつも話してくれる、非現実的なハッピーエンドの物語はとても面白い。当初あった警戒心も自然と薄れていった。そんな彼が家に来て欲しいと言った時は二つ返事で受け入れたのだ。

「A」
『何気に名前呼んでくれたのはじめてですね』
「あれ？そうだっけか」
『そうですよ。貴方は私の事君キミばっかりだったんですから…それで、今回はどんな話を？前回の続きで主人公が一人の少女を救う話ですか？それとも…』

「いや、今回はその『過去語り』じゃないんだ。Aに手渡したいものがあったんだ。できれば誰にも見られず内密に」

　そういって懐から取り出したのは『白く綺麗な布』だった。

『とても綺麗ですね。それを私に？』
「そうだ。これはただの布じゃない。糸が少し特殊でね、その中には『魔術』が編み込まれている」
『魔術…どこかで聞いた事はありますが』
「そう難しく考える必要は無い。いうなればそれは君の幸運値を上げるお守りさ。君の綺麗な髪を飾るのにぴったりだと思うよ」

　老人は慣れた手つきで私の髪を白い布で結い上げた。

『可愛い…！』
「都心ではそういうものが流行っているらしいからね。それは肌身離さず付けておきなさい」

『？はい』
「それと約束してくれ。もしそのリボンについて訊ねられたら、」

「あ、A！やっぱりここにいたのか」
『炭治郎』
「ん。その青い(・・)リボンはどうしたんだ？」
「え？」
「あぁ、それは私が彼女にプレゼントしたんだ。似合ってるだろ？」
「そうですね！出来ればそれに似合う着物も買ってやりたいところだが…」

───もし、その『白いリボン』について
訊ねられたのなら。

「無惨さん貴方…人間じゃないですね？」

そいつは『人間の形をしたナニか』だ。
決して心を開いてはならない。