17話 ページ19
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
「もう教えることは無い」
「えっ」
「あとは
◇◇◆◇
『鱗滝さん。おかえりなさい』
ㅤ初めて出会った日から何百回も交わしたであろう挨拶をする。鱗滝さんは相変わらず天狗のお面をつけているから表情は読み取れないけど、たぶん今日もいつも通りだろう。
『あ、お茶淹れておきましたよ』
「ありがとう」
ㅤこのやりとりも一年が経った今では日常になりつつある。
『炭治郎の鍛錬は順調ですか?』
「ああ。最初の頃より随分と身体能力も精神力も上がってきた」
「最終選別の許可は、あの大岩で決める」
『(…大岩か)』
◆◇◇
あれから半年の月日が流れた
俺は鱗滝さんに習ったことを毎日繰り返した
息止めや柔軟など基礎的なことも
日記にかいておいてよかったと思った
ただ半年経っても岩は斬れなかった
俺は焦る
以前Aと鍛錬を共にした時
「この山はあの大岩があちこちに存在している。そのどれもに人工的な斬り跡があったんだ」
『きっとそれは歴代の弟子達だろうね。だから頑張らないと。私も頑張ったんだから』
「そうだな…俺も頑張るよ。Aはもう斬ったのか?はは、まさかそんなわけ」
『斬ったよ。一昨日に』
「……本当か?あの大岩を?真っ二つに?」
『はい。大マジです』
あれほど衝撃を受けたことはなかった。
「…足りない」
まだ鍛錬が足りないんだ
もっとやらないと
もっと───
「頑張れ俺!!頑張れ!!」
『うるさい』
「え?」
『男が喚くな。見苦しい』
165人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みの虫 | 作成日時:2019年9月8日 7時