14話 ページ16
あー語彙力が()
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「A」
『あ、鱗滝左さん。おかえりなさ』
『………い?』
「ゼィ…ゼィ…ヒューッ…」
◇◇◆
『こんな息切れしてるの初めてみたかも…』
ㅤ誰かとは言うまでもない。鱗滝さんは普通に歩いてきたようだが、後ろの炭治郎は息を切らして地べたにへたり込んでいる。
ㅤ意識が朦朧しているのか。傍に自分がいることに全く気づいていない。
「俺はっ…認めて貰えましたか?」
「試すのは今からだ。山に登る」
「A」
『は、はい!えっと、この籠は?』
「布を取るのは中でしなさい」
「お前の妹が眠っている」
◇◇◇◇
『結局なんだったんだろう…』
ㅤ鱗滝さんはそれだけ言うと炭治郎を連れて山を登り始めた。認める?ためす?いまいち状況が把握できていない。とりあえずカゴの中身を見てみよう。かたく結び付けられた布紐を解く。
『!!』
「すぅ…すぅ…」
『禰豆子』
ㅤ口元には紐で縛られた竹枷があり、爪は伸びきっている。
『そうか。
◇◇◇
『おかえりなさい。炭治郎は…』
「おいてきた」
『はあ。おい、て……おいて!?』
ㅤまさか山の上に!?山頂付近は山が高ければ高いほど空気が薄い。ここ狭霧山は周辺の山の中で最も高い山だったはず
「お前も聞いていただろう。試すのだと」
『まさか彼を…最終選別に?』
「まだわからん。だがそれがあの子の意思だ。
必ずここに帰ってくるだろう。…だが」
「もう子供が死ぬのを、儂は見たくない」
『そう言っておきながら認めるんですね、私を。貴方は』
私が最終選別を受ける事を。
「見込みがあるからだ。
ㅤ鱗滝さんは私の頭をポンポンと撫でる。
父とは違う優しい手だった。
『でも、私は既に鬼です。鬼殺隊に入ること自体、認めて頂けるのでしょうか…』
「大丈夫だ。儂が保証する。たしかにお前は鬼化しているが、完全ではない。今も鬼の血は少しずつ浄化されつつある。たとえ日に当たったとしても少し肌が痺れるぐらいだろう。だが、無理はするな」
ㅤ次の日の朝、鱗滝さんの言う通り炭治郎は帰ってきた。ボロボロだったけど。
ㅤ炭治郎は私の姿を見つけると、きつく抱きしめて泣いた。…私も泣いた。
ㅤその更に数日後、最終選別の為の鍛錬が始まった。
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作者名:みの虫 | 作成日時:2019年9月8日 7時