12話 ページ14
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ㅤ目が覚めた時、俺は禰豆子の着物裾を掴んで倒れていた事に気づく。
「起きたか」
ㅤすかさず妹を抱きしめる。
だが既に男の戦意はなかった。
「狭霧山の麓に住んでいる鱗滝左近次という老人を訪ねろ。冨岡義勇に言われて来たと言え」
「今は日が差していないから大丈夫なようだが、妹を太陽の下に連れ出すなよ」
「それと」
「Aという子供もそこに居る」
◇◇◆
『(──狭霧山か)』
ㅤ貰った壊れかけの籠と藁竹を組み合わせて強度を高める。後、鬼になった禰豆子は体の大きさを自在に変えられる能力がある事を知った。
ㅤ俺からすればさほど遠くない距離だが、そこへ向かう為には一つ山を越えなければならない。
ㅤできるかぎり禰豆子への負担もなるべくかけないよう進みたい。
日はもう暮れ始めていた。
夜の道を二人で歩く。
ㅤ竹枷で言葉を発せられない禰豆子の手を引きながら───
『!!ㅤ血の匂いがする』
◇◇◇
一方その頃
『(天狗のお面…)治療だけでなく食事まで用意して頂けるなんて。ありがとうございます』
「なに。義勇の紹介した子供の兄妹というのもあるが、お前の母方に少しばかり縁があってな」
『母方、ですか。私は物心つく前に母をなくしています』
「知ってるとも。そしてお前が”赤竜一族の末裔”だということも」
『え?』
『(なにそれ知らないんですけど)』
そんな事誰からも聞いてないんですけど!
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作者名:みの虫 | 作成日時:2019年9月8日 7時