被害者は多分私【ハイキュー】【宮治】

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恐らくは色々な衝撃で(そもそもこいつ痴漢されてたんだっけ)呆けている治を上手い事誘導して今日の出来事を聞き出した。

助けてくれた空閑Aさんは、超進学校の西宮女学院の生徒で俺らと同い年。お嬢様かと思いきや、痴漢を見過ごせない男前ぶり。しかも背は小さいけど、カッコいいショートカットかつハンサムな顔立ちらしい。ギャップ萌えが過ぎる。
なるほど、俺達の周りにはいないタイプの女子である。


「こうなったら善は急げや！治お前、俺の双子ならLINEくらい交換してんねやろな！？」

「当たり前やろ」


お前の双子だったら何になるんだよ、と心の中で突っ込んだが、それよりも恋愛話で盛り上がる二人が面白すぎて静かにスマホを構えて撮影し始めた。

銀が頭痛が痛いという顔をしていたけど素知らぬ振りをした。ごめん。


「こういう時は勢いで押すんやで！！」

「そうなんかツム。俺初めてやからよう分からんわ」

「アラン君やって押しまくったら最後は諦めて物理の課題手伝ってくれるやん！あれと一緒や！」

「いや絶対違うで侑･･････」

「ほな、LINE送ろうかな。送るならなんて送ればええ？」

「そうやな･･････」


こんなに侑に従順な治を未だかつて見た事があるだろうか。

もう笑いを堪えるのに必死で動画の手ブレがヤバい。

どう考えても恋愛偏差値40切ってる侑(何せクズ)が恋愛講師やってる時点で笑ってはいけない稲荷崎バレー部だし、色んな衝撃でいつも以上にボケている治がそれを聞き入れているのなんか一周回って怖い。

治がのそのそスマホを取り出してLINEを開く。

“トーク”には、侑を始め朝礼になっても来ない治にスタ爆攻撃してるバレー部２年と、クラスの何人かの男友達、女バレの２年が続いている。

けれど、一番上の欄にあるのは今までにはなかった猫のアイコンで。

治は迷わずそれをタップした。

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