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Aは分かりやすく虐められていた訳ではなかった。
例えば体育の時、チームや2人組を作る時、本当にさりげなくAが女子と組めなかったり、面倒な係や仕事を推薦という形で押し付けられたり。給食を他の人より少なく盛り付けたり、Aが話掛ければ応じるものの、極端に口数少なく返したり。
でも、そういった事は段々積み重なっていく。Aが全く意に返さない姿勢を見せていたのも相まって、最初は誰も気付かなかった些細な嫌がらせがエスカレートしていった。
それが最高潮になったのは、二学期の給食での事だった。
「あ、ごめん！」
それが偶然なら見事なピタゴラスイッチだと感心しただろう。
給食を配膳していた女子の一人が、机から飛び出していた他の女子の足に引っ掛かって転び、目の前にいたAにお盆ごと給食を投げ出した。
Aは咄嗟に両腕を交差させて庇ったものの、その日のメニューは最悪な事にうどんだった。
Aの小さな頭に、牛乳瓶と共にうどんの器が降り掛かった。
幸い火傷こそなかったものの、牛乳瓶によって後頭部を打撲し、Aはその日の午後の授業を体育着で過ごす事になった。
担任はこの後に及んでも、クラスの異変に気付けなかった。狡猾な女子のせいだけではない。Aが自分が虐められているという事実をおくびにも出さなかったからだ。
男子は薄々気付いていたが、何をしてやるにも証拠がなく、庇いようのない程細かい嫌がらせだったせいで、口を噤むしかなかった。
放課後、女子に押し付けられた宿題当番や日直をこなして一人残っていたAに、思わず角名は話し掛けた。
自分もこの虐めを黙認している一人だというのに。
「ねえ」
「なに」
「何でこんな嫌な思いしてんのにやめんだら？」
やめるという言葉には、色んな意味がつまっていた。
単に学校を辞めるだけじゃない。せめて方言を矯正してみるとか、テストの点数を落としてみるとか、体育の授業で手を抜くとか。兎にも角にも、女子に改心させるよりも、優秀なAが女子に譲歩した方が、この虐めは早く終わると思った。
Aが凄い奴なのはもう十分分かった。こんな所で燻るような奴じゃない。だからこそ、正直Aのどこが女子の琴線に触れたのか、数え上げ出すとキリがなかったのだ。
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あき - 西女ってもしかして神女がモデルだったりします？そうだったらうれしい、おもしろいです‼ (9月4日 21時) (
レス) @page6 id: b4d5d428cd (このIDを非表示/違反報告)
やぁでぅん - こんな時間に失礼します。設定もお話も全てがとても面白くて夜の３時ぐらいにイッキ見してしまいました笑笑この作品が大好きなのでこれからも無理のないように更新頑張って下さい！！ (2023年5月5日 3時) (レス) id: 92500eea4b (このIDを非表示/違反報告)
エリンギ(プロフ) - マミーポコパンツさん» コメントありがとうございます！恐悦至極にございます！！ (2023年3月31日 17時) (レス) id: d64584d3be (このIDを非表示/違反報告)
エリンギ(プロフ) - キョンシーさん» コメントありがとうございます！そう言って頂けて光栄の至りでございます！！ (2023年3月31日 17時) (レス) id: d64584d3be (このIDを非表示/違反報告)
マミーポコパンツ - 絵うますぎませんか!?更新楽しみに待ってます!! (2023年3月9日 15時) (レス) @page19 id: 461adb2062 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エリンギ(サブ垢) | 作成日時：2023年2月26日 23時
