被害者は多分私【ハイキュー】【宮治】

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A部活だから暇じゃない


侑に言われるがままLINEを送ってから約三分後。単純にウザがっているのか筆無精なのか微妙なラインの返信が来た。


「勢いで打ってもうたけどそういえば今日俺らも部活やったわ」

「アホツム」

「やかましいわ！俺かて今自分の事ちょっとはアホ思うたわ！！」

「思ったんかい」

「思ってたんか･･････」


会話を続けさせる気がない(寧ろ意図的か)完全なるシャットダウンに、治はまあこんなもんやろうな、とマイペースに呟いた。

元々治は侑の事以外なら凄いおおらかだし。


「部活の日とか聞いてみれば？」


温度差の激しすぎるブリザードトーク画面に耐えきれずおずおず口を開けば、せやな、と治。

ポチポチとスマホを押す姿は、あまりいつもと変わらないように見えた。


「なあ治、治は本当に空閑さんの事が好きなんか？」


俺と同じ事を思ったのであろう銀が聞いた。

さっきまでのポンコツぶりを見れば明らかではあるが、恋とはもっと一喜一憂するものなのではないかと俺も思う。まあ俺も恋愛偏差値は40以下だから何とも言えないが。自分の名誉の為に言っておくが、侑とは違って、単純に女子と付き合った事がないだけである。あれ？これ逆に株下げたか？


「･･････初めてやねん。あんなにカッコええ人見たの」


ポツリと治が呟いた。

目は一心に手元のスマホ画面に注がれている。


osamu部活の曜日教えてや
A火水木金土


あ、返信返ってきた。しかも月曜off日被ってるじゃん。


「自分より二回りデカい男に真正面から立ち向かうなんて、普通は考えへんやろ。でもAは迷わずした。殴られそうになっても一回もおっさんから目を逸らさんかった。しかもその後俺に謝ったんや。おっさんの時は全然引かへんかったのに、俺の時は凄いしょんぼりして、勝手な真似してごめんなさいって。女の子がこういう言葉言われて喜ぶかは知らんけど、ホンマにカッコよかったんやで」


人でなしの侑が若干目を潤ませていた。「大きゅうなったな」って何目線だよ。

教室で聞き耳立てていた連中も何か湿った空気を出している。

情緒が幼児だった治の初恋。しかも話が良すぎて絶句するレベル。

これはもう、持ってかれたな。


「治！俺らもお前の恋応援すんで！！」

「せやな！！絶対付き合えよ！！」

「私治君の事好きやったけど応援するわ！」

「え？ミナ治の事好きやったん？初耳なんだけど」

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