すれ違い.6.夢主side ページ7
「…赤羽さん、何してるんだ？そんなところで」
『……竹林くん？』
教室でカルマと言い合いになって、でもカルマがほんとに何も知らないような顔をしていることがショックで
逃げ出してきてしまった
この校舎に来たのは今日が初めてだから、どこに行ったら落ち着けるかが分からなかった
だから、校舎の屋根に登っていた
ここなら滅多に人は来ないだろうし、きっと学校が終わるまでは誰も来ない
来るとしても、あの変な超生物だけだろう
…そう、思っていたのに
こんなにすぐに見つかってしまった
竹林くんは、1年生と2年生の時に同じクラスだった
でも、特に話したことはなくて、印象は、真面目なガリ勉くんだった
だから、今初めて竹林くんがE組にいることを知って、本当に驚いた
竹林くんがどうしてこんな落ちこぼれクラスにいる？
私が知っている彼は、勉強ができていたはずなのに
特に話したこともない私が彼のことをそんな目で見るのはやっぱりダメかな
誰にでも、事情くらいあるし
私だって、他人に自分のことを考えられるのは好きじゃないし
「…赤羽さんと話すのは、初めてだよね」
『そうだね』
「赤羽さんは、なぜE組に？」
あ、聞いちゃうんだ、って思った
まあ私が勝手に頭の中で変なこと考えてただけなんだけど
『…色々あってさ
ちょっと…校則違反とかしてたら、ね』
「…僕の知ってる赤羽さんは、もっと真面目だったと思うんだけど」
『…今のわたしは、竹林くんにはどう映ってるの？』
「…寂しそうに見える」
『そっ…か』
太陽の光の反射で、少しだけ竹林くんのメガネが光った
それに少しだけ背筋が固まった
なんでかは、分からない
てか分かりたくない
「…赤羽さんが学校を休むようになってから、校内は君の噂でもちきりだったんだ」
『…私の噂？』
「ああ
1番長い間言われていたのは、本当は赤羽くんとは血は繋がってなくて、それを知ってしまってショックだったから、なんていう噂だったよ」
『ハハッ…何その噂』
確かに、もしほんとに私たちが双子じゃなかったとしたら、不登校になっちゃうかも
私、一応カルマのこと大切だから
「でも、これを言っていたのは今のA組とB組の女子たちだ
きっと、赤羽くんのことが好きで、君に嫉妬してたんだと思うよ｣
『何もしなくても、カルマの隣にいられるから？』
「ああ」
いつもみたいに真面目な顔をして竹林くんは頷いた
カルマの隣に、もう私はいないのに
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沙羅 - 更新楽しみにしてます！！ (2020年3月4日 20時) (
レス) id: 6b1841d04d (このIDを非表示/違反報告)
偽善少女(プロフ) - すっごく面白いです！！次のお話が楽しみです！頑張ってください！ (2020年1月19日 10時) (レス) id: 04840ecaec (このIDを非表示/違反報告)
琥珀くん(プロフ) - 琥珀くんさん» 初めて同じ名前の方をみました！ありがとうございます！ (2019年11月25日 22時) (レス) id: 993d76a7e4 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀くん - 同じ名前ですね!再新頑張ってください!!応援します！ (2019年11月5日 22時) (レス) id: 8bf3196fdf (このIDを非表示/違反報告)
琥珀くん(プロフ) - あかりさん» ありがとうございます！これからも頑張りますのでよろしくお願いします！ (2019年8月12日 18時) (レス) id: 993d76a7e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：琥珀くん | 作成日時：2018年12月23日 18時
