すれ違い.3 ページ4
「今日の授業はここまで！」
「「ありがとうございました！」」
あの後、殺せんせーは教室、茅野ちゃんは授業にそれぞれ戻った
俺は、木陰でそのまま授業を見ていることにした
途中から入ってもつまらないから
授業が終わって、みんなバラバラになりながら教室に戻る
その中で、俺が今1番よく話している彼の姿を見つけて、なんとなく近づいた
「よー、渚くん」
「カルマくん」
「おいカルマ〜 今日は遅刻なんだな」
「ちょっと寝坊したんだよ」
それは、1年の時から同じクラスで友達だった、潮田渚
そしてその渚くんと仲がいい杉野も一緒だった
「あ、カルマ
そういやさ、今日停学明けのやつが来るらしいけど、聞いた？」
「うん 茅野ちゃんが教えてくれたよ」
「だからあの時茅野がカルマくんと話してたんだね」
渚くんは、周りをよく見ている
自分が暗殺の訓練をしている時も、他の人がどんな行動をしているのか、よく見てる
姿や形だけでなく、心の奥底まで見えていそうな渚くんの目に、俺はまだなれてない
「…ん？あれ、誰だ？」
杉野の声を聞いて、視線の元を辿ると、そこには女子用の制服を着た誰かがいた
太陽の光が眩しすぎて、顔が見えない
…でも、あの赤髪は、見覚えがある
「……A？」
俺の、片割れだ
Aは、あくびをしながら、キョロキョロと運動場を見渡した
俺の姿を目に捉えると、眉間にしわをよせて、鋭い目で俺を睨んだ
嫌われていることは分かっていたけど、久々に会ってこんな風に当たられると、やっぱり辛い
「おはようございます！君が今日から停学明けの赤羽Aさんですね！」
思わず俯いてしまっていると、さっき聞いた殺せんせーの声が響いた
来てくれてよかった、と涙を流しながらAの前に立つ殺せんせーは、正直言って気持ち悪い
『…すみませんでした
久々の学校だから、必要なものが多くて』
久々に、Aの声を聞いた
あの澄んだ声で、最後に名前を呼んでくれたのはいつだったかな
『でも、明日からはちゃんと真面目に来るつもりです 一応』
「そうですかそうですか！それでは1年間、よろしくお願いします」
『うん
それとさ、私のことは名前で呼んでね
…もう1人と同じように見られるの嫌いだから』
「…分かりました
では、教室に行きましょうかAさん」
Aの言葉で、俺たちの仲の悪さを感じたみんなは、抉るような目で、俺を見てきた
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沙羅 - 更新楽しみにしてます！！ (2020年3月4日 20時) (
レス) id: 6b1841d04d (このIDを非表示/違反報告)
偽善少女(プロフ) - すっごく面白いです！！次のお話が楽しみです！頑張ってください！ (2020年1月19日 10時) (レス) id: 04840ecaec (このIDを非表示/違反報告)
琥珀くん(プロフ) - 琥珀くんさん» 初めて同じ名前の方をみました！ありがとうございます！ (2019年11月25日 22時) (レス) id: 993d76a7e4 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀くん - 同じ名前ですね!再新頑張ってください!!応援します！ (2019年11月5日 22時) (レス) id: 8bf3196fdf (このIDを非表示/違反報告)
琥珀くん(プロフ) - あかりさん» ありがとうございます！これからも頑張りますのでよろしくお願いします！ (2019年8月12日 18時) (レス) id: 993d76a7e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：琥珀くん | 作成日時：2018年12月23日 18時
