第三話 ページ4
「姉さん、この子はダメだわ。言われないと何も出来ないの。食事もそうよ、食べなさいって言わなきゃずっと食べない。ずっとお腹を鳴らして」
『…カナヲ、』
「？」
『自分の意思で動いていんだよ』
「…」
『確かにあの頃は辛い生活だったけど、今は違う』
「夜姫？」 (しのぶ
『今は、何処の誰よりも幸せな時なんだから。甘えて、我儘言って、そして…自分の好きなようにするの！』
「…けど、けど…もし、もし、また捨てられたら…？」
「甘えて、我儘を言えても、それが過ぎたらきっと捨てられちゃう」
『…カナエさんと、しのぶさんは、そんな事しないよ』
「…どうして、そんな確信が持てるの？分からない、未来のことなんて…なのにどうして？」
『…感、かな。けど、そんな薄情な人には見えないでしょう？』
「…」 チラ
『ね？』
「…うん」
『だから、好きにしよう！』
「でも、どうしても、選べない時は…？」
『え…？』
「自分の意思で、どちらか一つを選べない時は…？」
『それは…』
「夜姫もカナエ姉さんも、しのぶ姉さんもいない時は？一人だけで考えられない時は…？」
「一人の時はこの銅貨を投げて決めればいいわよ。ねーカナヲ、夜姫」
「姉さん…」
「そんなに重く考えなくていいじゃない。カナヲも夜姫も、可愛いもの！」
「理屈になってない！！」
『…理屈になっていなくても、理屈になっていても関係ない。誰でもきっかけさえあれば心は開くから、』
『「いつか好きな男の子でも出来たらカナヲだって変わる/変わるわよ」』
『！』
「ﾆｺﾆｺ」
『…』 ニコッ
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作者名：和歌乃 | 作成日時：2022年11月8日 13時
