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「一人暮らしがしたいのかなぁ...」
「ふーん」
「でもさっき雑誌見てて思ったんだけど、やっぱり家賃高いからシェアハウスとかも良いなぁって」
「シェアハウス...」
「そうなると一人暮らしじゃないか」
急に一人暮らしも寂しいかもしれないし。友達が増えるの、楽しそうだし。
そんな事を考えながらビールを飲む。
「ごめん、A」
「...え？」
「一人暮らしは反対」
「え！何で！」
「最初から一人暮らししたいって答えならやんわり止めようと思ってたのに、シェアハウスとか言われて賛成できるか」
ジロリと睨まれる。
「一人暮らしもさせたくないのに」
「......どうして」
「心配だから。色々と」
「...子供扱いしてる」
「違うわ。大人だと思ってるから心配なんだろうが」
面倒臭そうにビールを飲み干した和也くんが、私のビールも取り上げた。
「一人暮らしの女の子なんて、めちゃくちゃ狙われやすいからな？」
「...和也くんも、そういう女の子を狙ってたの？」
「そりゃ若い時は誰でもそうだろ」
「やーだー」
「うるさいな」
ガハハって豪快に笑った彼に小突かれる。
私もつられて笑ってしまう。
「でももし、Aが家を出たいんなら反対しない」
「...どういう事？」
「分かんないの？」
「分かんない」
「行間を読みなさい」
「え？行間なんかあった？」
私が真顔で言ったからなのか、和也くんは可笑しそうにしてる。
「じゃあ、一人暮らしは反対だけど家を出るのは反対しない等と言う作者の気持ちを述べよ」
お返しのように私が言うと、更に彼は顔を綻ばせた。
「Aは、家を出る気ある？」
「だから、それをずっと話してるんだよ？」
「誰かと暮らす気は？」
「...シェアハウス？」
「シェアハウスは駄目」
和也くんが「絶対駄目です」って、釘を刺して来る。
「だったら、私はどうしたら良いの？」
何だかちょっと面倒臭くなって来た。
和也くんが言いたいのは、実家に居た方がラクだよって事なのかな...。
「オレと暮らせば良い」
「......え？」
「家を出たいなら、オレと一緒に暮らす事しか許さない」
彼は、ニコリとも笑わずにそう言った後
「これが作者の気持ち」
口角を少しだけ、上げた。
「Aはどうしたい？」
「え...え...？」
「嫌なら、実家に居なさい」
「え...？」
「オレ、かなり束縛する方だって言ってなかったっけ？」
「...束縛...」
これは束縛？
これが束縛？
こんなのが束縛なら、私
「束縛されたい」
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めぐお(プロフ) - 久しぶりに読んだイロコイ。やっぱり大好きなお話です。残してくれてありがとうございます。 (2022年9月16日 16時) (
レス) @page47 id: 17cbbe6ec7 (このIDを非表示/違反報告)
莉依(プロフ) - 何度読んでも、やっぱりイロコイのお話は良い。大好き。 (2019年1月8日 0時) (レス) id: c571097cf8 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 結城ちゃんがビール飲めるようになってることに感動です( ；∀；) (2018年8月24日 15時) (レス) id: f393ece0e8 (このIDを非表示/違反報告)
mama(プロフ) - やーっと読むことができました。先生の『行間を読みなさい』が久々に聞けてドキドキしちゃいました。それぞれの恋のはじまりが丁寧に伝わりました。もう、恋をする年齢ではないけれど、お話の中では恋をしていきたいな。レイさん、いつもありがとうございます。 (2018年8月14日 6時) (レス) id: dc084211e8 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - イロコイ…続きが拝読出来て感動♪それと大野さんの「ともちゃんが猫を拾ったあの時、おれは恋を拾った」に心臓がドキューンと殺られたｗｗｗ (2018年8月8日 21時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：rei
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=reika72
作成日時：2018年5月21日 18時
