*story 87* ページ47
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声をかけるものの一切反応を見せない男の態度に、「これはやってしまったのかも知れない」と今更ながらに焦りを感じる。
一気に血の気が引いていくのを感じながら、冷たい霊気を漂わせ始める男の顔を盗み見る。…………と、1秒前の自分、何考えてんの。あ、やばい。見なきゃよかった。ちびりそう。
お尻のトップシークレット以上に怒ってるよこれ。どうすんのこれ。
「………おい」
だらだらと冷や汗を垂らす私に、地を這うような低い声がかかる。
目を合わせられるわけもなく、俯いたまま次の言葉を死刑宣告をされる犯罪者の気分で待っていたら、「おい」と再び発せられた声。
うわぁぁ……これ顔上げないと先喋らないやつ?うん、もう、ここは潔く諦めよう。さらば、私のわずかな人生よ。もしも………再び生まれることがあったら、もう二度と恋人(仮)は作るんじゃないよ。
そう心の中で言い残し、意を決して顔を上げた。
「……………」
「……………」
うわ、想像していたよりか10倍も怖い。
ていうかちゃんと目合わせたんだから何か喋ってよ。貴方の無言ほど怖いものはないんだから。もうこちとら半泣き状態だからな。
そんな私の思いが届いたのか…ジンはやっと閉ざしていた口を開いた。
「………バーボンに抱かれたのか」
「…………………ん?」
………抱かれったって、それはえーと…ハグ的な何か
では、ないですよね。
ようはセック○をしたかってことで。ああ、それなら、(仮)には心配いらないこと。だって好きでも何でもない相手とするわけないし、考えもしてなかったもん、今の今まで。
大丈夫、心配しなくていいよ。私はこの通り清く正しい処女でありますので。
「ありえないでしょ」
何だ、こんなこと聞くために呼び出したの?はあ…緊張していたのが馬鹿みたい。
「っ……ハハッ」
今まで張り詰めいていた空気が解けるとともに笑いが出てくる。
「ふっ、ふふっ……バーボンと…は、そんなものとはかけ離れた清いお付き合いをさせていただいてるから、
貴方がそんな眉にしわ寄せて難しい顔する必要はないわよ」
ニヤリとジンの方を向いて、驚いたかのように少し目を見開いた男の襟グイッとを掴む。
「それを言ったら、貴方との方がよっぽどそれらしいことしてるわよ」
顔を引き寄せて動きの止まったままの頬に軽いキスを落とす。
「だから、怒んないで?」
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てる(プロフ) - 華緒〜KAO〜さん» わわ!ごめんない!書き直します!ありがとうございます! (2018年5月22日 0時) (レス) id: 1a0e49df6a (このIDを非表示/違反報告)
華緒〜KAO〜(プロフ) - 途中から蓮華 が蓮香 になってて 名前変換がされなくなっちゃってます(><) めちゃくちゃ面白くてドキドキして面白いので応援してます! (2018年5月22日 0時) (レス) id: d5aee746e1 (このIDを非表示/違反報告)
てる(プロフ) - 奈楠さん» ありがとうございます!!悪役の中でジンニキは神ですw頑張ります! (2018年5月18日 12時) (レス) id: 1a0e49df6a (このIDを非表示/違反報告)
奈楠(プロフ) - 凄く面白いです!!!ジンニキイケメンかよぉぉぉぉ!!更新頑張ってください!応援しています!! (2018年5月17日 21時) (レス) id: f44adf4250 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:てる | 作成日時:2018年5月14日 21時