＊story 84＊ ページ44
*
「べっ…ベルモットお姉さまぁ……わ、わたし…」
「無理。わざわざジンの怒りを買ってまで貴女を逃がす気は無いわよ」
…まだ何も言ってないじゃない。
恨みがましくベルモットの方を見やると、手を擦り合わせ始めた私に冷たい視線を向けていた。うん、怖い。普通に怖い。
そ、そりゃ……迷惑だと思うけどさ！私は私で可哀想じゃない？自由にどこそこ行きたいお年頃なのよ！？
少しあんまり過ぎる……と、ムスッと黙ってみていたら
ベルモットは、はぁ…と溜息をつきながら私の隣に座った。
「貴女が逃げ出したことについてジンは何も言ってなかったわよ」
その言葉にへ？とベルモットの方を向く。
「あの人が連れて帰ろと言ってきたのはきっと…」
貴女が、バーボンの恋人なんてことを言い出したから。
そう言ったベルモットの言葉にはてなマークが浮かぶ。
……そう言えばジンの目の前でもそんなこと言ったっけな？
何しろそのあと色々とありすぎて、そんな設定をジンに言っていたことさえ忘れかけていた。
「何。ジンはそんなことが気に入らないの？」
「まあ……そうね」
「はぁぁぁ？意味不明」
いくら自分が拾った物でも執着心凄すぎでしょ。あ、でもシェリーの時もそうだったからあの人の性格と言ってしまえばそうなのか…。
それにしてもなんて不自由な。私にいい人が出来るのが許せないとか、お父さんかって。
「……面倒くさい」
「そう言えるのも今のうちよ。」
ベルモットが流れるように言った一言が怖い。何それ、と視線で聞いてみるものの、
帰ったら分かるわよ。の一点張りで答えてくれそうにない。
私に選択肢なんて最初からないのか……そう諦めて、椅子から立ち上がった。
勝手な事をしているとは分かっているが、店の前にcloseの看板をぶら下げて、
エプロンを脱いでたたみ、……持っていく訳にも行かないので、カウンターの上に置いておく。
書き置きひとつくらいはしていかないと、とレジのメモ用紙にペンを滑らせて簡単に謝罪の意を込めて文字を連ねた。
それをちぎって、さっきのエプロンの上に乗せたら……もうすることはない。
ふぅ…と深呼吸をしてから、ベルモットの方へ振り向く。
「さ、行きましょ」
少し芽生えた寂しさを消し去るように、私はにっこりと笑った。
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てる(プロフ) - 華緒〜KAO〜さん» わわ！ごめんない！書き直します！ありがとうございます！ (2018年5月22日 0時) (
レス) id: 1a0e49df6a (このIDを非表示/違反報告)
華緒〜KAO〜(プロフ) - 途中から蓮華 が蓮香 になってて 名前変換がされなくなっちゃってます(><) めちゃくちゃ面白くてドキドキして面白いので応援してます！ (2018年5月22日 0時) (レス) id: d5aee746e1 (このIDを非表示/違反報告)
てる(プロフ) - 奈楠さん» ありがとうございます！！悪役の中でジンニキは神ですw頑張ります！ (2018年5月18日 12時) (レス) id: 1a0e49df6a (このIDを非表示/違反報告)
奈楠(プロフ) - 凄く面白いです！！！ジンニキイケメンかよぉぉぉぉ！！更新頑張ってください！応援しています！！ (2018年5月17日 21時) (レス) id: f44adf4250 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：てる | 作成日時：2018年5月14日 21時
