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*story 45* ページ5

*安室side





あとほんの少し……少しで彼女に伝わるはずだった。


どうしていつも大切な所で、大事なものを取りこぼしてしまうのだろう。



けれどそこへ最悪のタイミングで訪れた女を見てしまった瞬間、俺は……バーボンに成らざる負えなかった。







彼女の目が一瞬怯え、けれど…狡猾な女を象徴するような足音が聞こえると、何かを悟ったような表情をした。





「あら、こんなところで会うなんて珍しいわね……バーボン?」


「そうですね…貴女とはプライベートで会うことは少ないですから」


へぇ…プライベートねぇ。と蓮華さんに目を向けるベルモットは、その姿を捉えると驚いたように目を開いた。


「あら?もっと珍しいのが居るのね……レディ?」



……レディ?酒の名前じゃないのか。

ベルモットにそう呼ばれた蓮華さんは一瞬、暗い目をしたあとくるりと俺に背を向けた。




「本当………こんなところで合うなんて偶然ね……ベルモット」


親しげにベルモットへ言葉をかける蓮華さんは、彼女を見てふふっと楽しそうに笑う。

……組織の女にこんなにも楽しげに話しかける人を初めて見た。

思わず、驚いて蓮華さんを見つめてしまった。





「なぁに、貴女。何か面白いことでもあって?」

「ううん。別に〜」



その会話は俺の知っている組織の奴らの雰囲気は全くなく、それはこちらが拍子抜けしてしまうものだった。



「それにしても、貴女達がこんな場所に来る仲だとわね……」

ベルモットの探るような目付きが俺と蓮香さんに向けられる。



さぁ、どうしたものか……。

蓮華さんが言ってしまえば全てが終わる。俺の潜入もバレて、組織の情報も何も手に入れられなくなる。

ここは、蓮香さんをすぐにここから連れ出す他ない。





そう思考が動いたとき、またもや不運が続く。






「確かになぁ。てめぇらが何でここにいんのか、説明してもらおうか」




………ジンが来るなど、誰が予想できただろうか。

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てる(プロフ) - 華緒〜KAO〜さん» わわ!ごめんない!書き直します!ありがとうございます! (2018年5月22日 0時) (レス) id: 1a0e49df6a (このIDを非表示/違反報告)
華緒〜KAO〜(プロフ) - 途中から蓮華 が蓮香 になってて 名前変換がされなくなっちゃってます(><) めちゃくちゃ面白くてドキドキして面白いので応援してます! (2018年5月22日 0時) (レス) id: d5aee746e1 (このIDを非表示/違反報告)
てる(プロフ) - 奈楠さん» ありがとうございます!!悪役の中でジンニキは神ですw頑張ります! (2018年5月18日 12時) (レス) id: 1a0e49df6a (このIDを非表示/違反報告)
奈楠(プロフ) - 凄く面白いです!!!ジンニキイケメンかよぉぉぉぉ!!更新頑張ってください!応援しています!! (2018年5月17日 21時) (レス) id: f44adf4250 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:てる | 作成日時:2018年5月14日 21時

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