無弦の鬼と最初の鬼らしいよ ページ8
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「やめてよ!!やめてっ!!
もう殺さないでぇぇ!!終わりにしようよ!」
無「……何を、言ってる。A」
再び攻撃が止まった。
今度は振り落とされないように背中にしっかりとしがみつく。
「人を殺して、殺して…血みどろになりながら生きたとしてそれは正しいの?
なんにも楽しくないよ、そんなの。
私たちは間違ってたんだよ、無惨様。」
無「私は常に正しい。お前は私の言ったことを否定するのか?」
ギロリと紅い瞳が私を射抜いた。
大丈夫、怖くなんてないよ。怖がる必要なんてない。
皆に力を貰ったんだから。
「間違ってる!!!今も昔もずっと!!」
大声を上げた。なぜか涙がとめどなく流れた。
辺りがしんっと静まり返り、私の声が木霊する。
ビキビキと音を立て、無惨様の額や頬に血管が浮あがる。怒ってるんだ、とてつもなく。
「鬼になることって悪いことなのかな。
人を食べることってダメなのかな。
豚や牛を食べることと変わらないよね。
私、お馬鹿だからわからなかったんだ。
そしたらね、彼が教えてくれたんだ。」
私は炭治郎くんを見た。
ボロボロで血も流れてる。痛いだろうな。
でもやっぱり君の瞳は真っ直ぐで優しくて本当に綺麗だね。
「間違ってない、一緒に考えようって。
鬼と仲良くする未来を探そうって。
人間なんて大嫌いだよ、反吐が出るほど。
でも…でも!!優しかったんだっ!
屑みたいな人間より、暖かくて涙が出るほど優しくて繊細で美しくて………そんな人達の方が多かった!!
私はそんな生き物が尊くてしょうがない…!
だから無惨様、私は今日あなたに最後の反抗をするよ。」
___尊いよ、全ての命が。
「血鬼術__見ざる聞かざる言わざる__」
チリンッ
無「…っ!?」
私は鬼殺隊の皆を見た。困惑した顔の人、
ほっとした顔の人、様々だ。
「どうか……頸を、斬ってください………。
散々苦しめておいて都合がいいことを言っているのは承知です。私と一緒に戦って下さい!」
震える声でそう告げ、頭を下げる。
地面に頭をつけてお願いするのは人間時代以来だ。
最期の夜明けは笑顔でいたいらしいよ→←夜明け前の空はどこか不安げらしいよ
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ふゆねこ(プロフ) - 今更ながら全て読ませて頂きました!!とっても面白くて大好きです!!!最後の方ずっと泣きっぱなしでした笑 素敵な作品に出会えてとても嬉しいです!! (8月14日 14時) (レス) id: 8e85720291 (このIDを非表示/違反報告)
あいみ(プロフ) - 一から全部見させて頂きました!!!何かもう、最高すぎて、途中鳥肌たったり。最後もう感動しすぎて、号泣しましたよ。最ッッッ高です!ほかの作品も更新頑張ってください! (2022年6月13日 13時) (レス) @page30 id: 2cf40cafe5 (このIDを非表示/違反報告)
指切り(物理) - 素敵な作品をありがとうございましたァァァァァァ! (2022年4月29日 19時) (レス) @page30 id: dfc5bee49e (このIDを非表示/違反報告)
桃の缶詰 - 面白すぎて1日で読み終えてしまいました!!すごい感動しました。この作品の設定とても好きなので、番外編とか書いて下さると嬉しいです。お忙しいと思うので、書きたくなったらお願いします!!ずっと待ってます!!! (2022年2月25日 21時) (レス) id: d0d8222ebf (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃん(プロフ) - 全部読み通しました!めっちゃ感動しました!ありがとうございます😭 (2022年1月2日 15時) (レス) @page30 id: 383abb7ef4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:翔月 | 作成日時:2020年10月9日 16時