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もう少しで家に着くけれど、その前に少し近くの本屋に寄っていこうかな。
家の近くの本屋に行くと右京さんの漫画の単行本が売ってあった。それの最新刊を手に取りレジに向かう。






店員「いらっしゃいませ、こちらブックカバーはお付けしますか?」



「お願いします」





黒髪がきれいなお姉さん。
たまに見かけるバイトさん。名札を見ると鳴女さんって言うんだそうだ。鳴女さんはすごく美人で
密かにこの本屋さんのマドンナとして噂になっている。噂では和楽器が弾けるとかなんとか。




男「あ、最新刊出てるじゃん。」


女「ほんとだね、買って行こうよ」


男「お前また俺に買わせる気だな?」


女「今月ピンチだから、お願い!割り勘でも可!」


男「いや俺が買うからいいけどさぁ。
その代わりまたお菓子作ってきてよね」


女「任せなさいな!」






前髪が目を隠すくらいまで長い黒マッシュの男性と綺麗な黒髪をポニーテールにしている女性が右京さんの単行本を手に取って話していた。
二人とも大学生かな。




男「ちょ、ひいろ。3円ない?」


女「えー、そんな都合よく一円玉3枚なんて……

あったーー!!!あたし天才!?ねぇ、天才?!」



男「あ、ブックカバーお願いします」


女「靭、無視しないでよ!」






賑やかな会話を聞きながら本屋を後にした。















夕焼け、綺麗だなぁ。そういえば最近無限列車っていう期間限定の列車がこのくらいの時間に走ってるんだっけ。ちょっと見に行こうかな。
夕日に照らされて赤くなっている道を歩く。
しばらくすれば線路が見えてきた。
カンカンカン、と踏切が降り始めた。ちょうどいいタイミングだ。向こうの方から黒光りしている年代物の列車が走ってきた。




カシャッ






隣を見ると、一眼レフカメラで走る列車を撮る男の人がいた。他にもチラホラ写真を撮る人はいたけれど皆スマホでごっついカメラを首から提げている彼は熱量が違った。鉄道ファンなのかな。




男「ねぇ、君」



「は、はい、なんでしょうか?」



男「………やっぱり君だ。あのね、ありがとう。
俺、毎日良い夢を見れるようになったんだぁ。
こうして今ここで列車の写真を撮れるのも全部君のおかげだよ、本当に感謝してる。」



「よかった、ですね??」




男「それだけどうしても言いたかったんだ。
ごめんね、急に話しかけて。」






そういうと男の人はまたカメラを構えた。
私はしばらくその横顔を眺めていた。

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ふゆねこ(プロフ) - 今更ながら全て読ませて頂きました!!とっても面白くて大好きです!!!最後の方ずっと泣きっぱなしでした笑 素敵な作品に出会えてとても嬉しいです!! (8月14日 14時) (レス) id: 8e85720291 (このIDを非表示/違反報告)
あいみ(プロフ) - 一から全部見させて頂きました!!!何かもう、最高すぎて、途中鳥肌たったり。最後もう感動しすぎて、号泣しましたよ。最ッッッ高です!ほかの作品も更新頑張ってください! (2022年6月13日 13時) (レス) @page30 id: 2cf40cafe5 (このIDを非表示/違反報告)
指切り(物理) - 素敵な作品をありがとうございましたァァァァァァ! (2022年4月29日 19時) (レス) @page30 id: dfc5bee49e (このIDを非表示/違反報告)
桃の缶詰 - 面白すぎて1日で読み終えてしまいました!!すごい感動しました。この作品の設定とても好きなので、番外編とか書いて下さると嬉しいです。お忙しいと思うので、書きたくなったらお願いします!!ずっと待ってます!!! (2022年2月25日 21時) (レス) id: d0d8222ebf (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃん(プロフ) - 全部読み通しました!めっちゃ感動しました!ありがとうございます😭 (2022年1月2日 15時) (レス) @page30 id: 383abb7ef4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:翔月 | 作成日時:2020年10月9日 16時

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