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原初の鬼の話 ページ12

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私にはいつも死の影がぴたりと張り付いていた。
私の心臓は母親の腹の中で何度も止まり
生まれた時には死産だと言われた。



脈もなく呼吸もしていなかった。



荼毘に付されようという際に




もがいて



もがいて




私は産声を上げた。





何故、死ななければならないのか。
【生きたい】その願いを叶えることは何故罪なのか。
私にはわからなかった。



実験をする時、人は皆ゲージに入った鼠を使う。




薬品を投与し、時には鼠を死なせた。




私にとって人間に血を与え、鬼を作るのはそれと何も変わらなかった。




そしてこの世は権力さえあれば欲しい物もしたい事も全て実行できた。そうする事で私は満たされた。
だか、しかし【寿命】はどうしようもなかった。




頼った薬師の薬によって私は鬼となった。





その頃からだろう。
日光に憧れを抱いたのは。外に出られないのは非常に屈辱だった。何故日から遠ざからなければならない。



鬼は、私の思う完璧にはあと一歩足りなかった。








そうして、満たされることの無いまま私は
生き続けた。時代が変わっていく様を見た。
人間は愚かな生き物でしか無かった。




人を虐げ、脅し、殺し、罵り、




あんまりにも滑稽なものだから同族だろうに、と鼻で笑った事もあった。
そんな時だった。Aを見つけたのは。





初めは汚い餓鬼だと思った。
だか珍しい髪色と瞳の色に惹かれた。
Aは自分のことを美味しくないと言った。
これから喰われるというのに不思議なものだった。
私は少し興味が湧いて、手元に置いておくことにした。すると次第にAのこと、屑のような家族のことを知った。




彼女はいつでも美しかった。
そして完璧な存在に近かった。





『月も綺麗だけど、お日様の下で一緒にお散歩したいね!』




無『そのうち出来るようにしてやろう。』




『ほんと!?わーい!!
じゃあじゃあ、約束ねー!忘れちゃ嫌だよ?』





___嗚呼、約束しよう。必ず叶えてやる。
どんな犠牲を払おうと、どんな結末を伴うとしてもこの約束だけは必ず。二人で完璧な存在になるために。







そう誓った。









日が昇る寸前に、Aが私を抱きしめた。
逃げないように固定しているようだった。
後ろには刀を構えこちらの様子を伺う鬼殺隊共。
そうして、私とAに日光が当たり始めた。
焼ける痛みに涙をにじませるAを見て
私の体は勝手に動いていた。

*→←夜風が明日を運ぶらしいよ



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ふゆねこ(プロフ) - 今更ながら全て読ませて頂きました!!とっても面白くて大好きです!!!最後の方ずっと泣きっぱなしでした笑 素敵な作品に出会えてとても嬉しいです!! (8月14日 14時) (レス) id: 8e85720291 (このIDを非表示/違反報告)
あいみ(プロフ) - 一から全部見させて頂きました!!!何かもう、最高すぎて、途中鳥肌たったり。最後もう感動しすぎて、号泣しましたよ。最ッッッ高です!ほかの作品も更新頑張ってください! (2022年6月13日 13時) (レス) @page30 id: 2cf40cafe5 (このIDを非表示/違反報告)
指切り(物理) - 素敵な作品をありがとうございましたァァァァァァ! (2022年4月29日 19時) (レス) @page30 id: dfc5bee49e (このIDを非表示/違反報告)
桃の缶詰 - 面白すぎて1日で読み終えてしまいました!!すごい感動しました。この作品の設定とても好きなので、番外編とか書いて下さると嬉しいです。お忙しいと思うので、書きたくなったらお願いします!!ずっと待ってます!!! (2022年2月25日 21時) (レス) id: d0d8222ebf (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃん(プロフ) - 全部読み通しました!めっちゃ感動しました!ありがとうございます😭 (2022年1月2日 15時) (レス) @page30 id: 383abb7ef4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:翔月 | 作成日時:2020年10月9日 16時

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