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「……………こんなもんかな」
はい出来た、そう言えば、彼女は小さな声で“ありがとうございます”と言って軽く微笑んだ
そしておもむろに荷物を漁り、紙袋を俺に差し出した
「これ、先日借りてた服です」
ありがとうございました、そう言われて“いえいえ”と言いながら彼女の手からそれを受け取る
いい匂いしそうだな、と軽く犯罪じみたことを考えていると、彼女は“じゃあ、そろそろ…”と立ち上がった
「…………え？」
「もう、そらるさんに迷惑は掛けれませんから……手当、ありがとうございました」
そう言って荷物を持ち、今にも帰りそうな彼女の手首を掴んで引き止める
「迷惑だなんて思わないから、ゆっくりして行っていいんだよ？」
そんな俺の言葉に、彼女は一瞬哀しそうな表情をした
だけどすぐに“駄目なんです”と言って俺の手を振り解こうとする
────そんな彼女を、俺は堪らず抱きしめた
え、と俺の胸元で驚いた様子の彼女の声
自分でも咄嗟の行動に驚いた
だけど、言いたいことは口からスラスラ出てきて
「Aが家でずっと辛い思いしてるって分かってるのに、平気な顔で帰せるわけないじゃん………それに、俺だって辛い」
“ねぇ、迷惑なんて考えないで、俺に甘えてよ”
ぎゅ、と更に力を込めて抱き締めると、一瞬彼女の腕が背中に回ったような気がした
だけどそれはほんの一瞬で、次の瞬間には“やめて……!!”なんて言って腕を解かれていた
目を見開いて彼女を見ると、彼女は“ごめんなさい、違うんです、だけど”と今にも泣き出しそうな顔で続けた
「私は………私は、こんなに優しくされていい人間じゃない…………!!」
いつの間にか、彼女は部屋から出て行っていた
呆然と立ち尽くす俺の手には彼女の体温が未だに残っている
彼女の瞳から溢れていた涙を拭う暇もなかったし、彼女がそれを許してくれそうになかった
「…………はは、辛いなぁ」
彼女が限界まで辛いことは分かってるけど、それでも
さっきの拒絶は、俺の心を締め付けた
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通りすがりの乙姫様 - 完結お疲れ様でした！めちゃ感動しちゃいました…！！他の作品も頑張って下さいね！！ (2017年12月31日 20時) (
レス) id: 3bd615decd (このIDを非表示/違反報告)
(仮)そうけんびちゃ - お疲れ様でした！夢主ちゃんと俺の性格と似つかなくて何かおぉう、、、天使ぃみたいな感じでしたw自分やとあｱ？つって殴ってましたw (2017年12月24日 10時) (レス) id: 3ca494f799 (このIDを非表示/違反報告)
Mai - 綺麗なお話ですね…！このお話なら長編でも根気よく読めそうです(笑)お伽噺シリーズ、楽しみにしています！(少しだけ、最後に裏切った(？)人に腹が立ちまs(( ) (2017年11月15日 19時) (レス) id: c608e0f4fb (このIDを非表示/違反報告)
世界崩壊轟(プロフ) - なんだこのすごい感動する話。 (2017年11月11日 15時) (レス) id: c47e759a56 (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - なんか…もう言葉が出ません…最高か…シリーズ化楽しみにしてます…（萌死） (2017年11月6日 21時) (レス) id: df5db280b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きゃろっと。
| 作者ホームページ：
作成日時：2017年11月3日 15時
