08.ラブソング ページ8
「あ、ここでいいです、」
マンションの前に車が停まる。
「ありがとうございました、」
「ん、」
「おやすみなさ、い」
「ん、おやすみ」
あの後、櫻井さんは黙って気まずい雰囲気が車内に流れた。
櫻井さんが深呼吸をした後、曲が終わり、次の曲に移ったけど、ラブソングでサッと次の曲に飛ばした。
＿＿「ラブソングなんて、聞きたくねぇわ」
そう言ってまた視線を前に戻した。
＿＿「他人の幸せなんて、祈れねぇよな」
＿＿「祈れる奴はただのお人好しか、正義感ふりかざしてるだけ」
冷たく毒を吐いた櫻井さんに、何も声を掛けられなかった。
確かに、私も櫻井さんの幸せを祈れない。
櫻井さんが他の女の人を愛しそうに抱き締めてるのを想像するだけで、吐き気がする。
人間ってやっぱり汚い、だけどそれが人間なんだな、って思う。
車が行くまで見送った。
赤い車が角を曲がって去った後、切なさが胸を覆った。
こんなに苦しいなんて思ってもみなかったの。
意地悪で厳しいけど私の中で櫻井さんは憧れの存在で。
女性社員の同期たちと給湯室で集まって「カッコいいねー」「抜け駆けしないでよ？」「って、Aは抜け駆けしてるよね！櫻井さんの直属の部下とか！(笑)」って話してた。
本気じゃなかった、だって高嶺の花。
そんな櫻井さんが、いつの間にか本気の恋愛対象になってた。
あの曲が頭から離れなくて、悔しそうに唇を噛んだ櫻井さんが頭から離れなくて。
足が動かず、エントランスの前でずっと立ってた。
*
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アヤカ(プロフ) - いやいや、文章力あるよー！文才か笑笑ほんとに年下かよって思うほど文才ありすぎて怖いよ笑笑 (2017年6月17日 1時) (
レス) id: e8965905e7 (このIDを非表示/違反報告)
みう(プロフ) - アヤカさん» うわー！！読んでくれたの？(;_;)ありがとう(><)面白いとか本当に飛び跳ねる勢いで嬉しい！！文章力はないけど！笑笑頑張るよーん！ (2017年6月17日 1時) (レス) id: bf7054af09 (このIDを非表示/違反報告)
アヤカ(プロフ) - みうー！そっこーで読んだよ笑笑面白かった！やっぱり文章力あって羨ましいわーこれからも頑張ってくださいませー (2017年6月17日 1時) (レス) id: e8965905e7 (このIDを非表示/違反報告)
piropa(プロフ) - りょーかいです (2016年8月15日 23時) (レス) id: ed1acedc9c (このIDを非表示/違反報告)
みう(プロフ) - ゆーさん» 面白かったなんて嬉しいです(´；ω；｀)続編…書きたいと思っておりますので、続編始めた時にはまたお付き合いよろしくお願いします┏○" (2016年8月15日 20時) (レス) id: 2a9c614875 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みう
| 作成日時：2016年1月17日 17時
