07.言いたいことはいつも ページ7
「櫻井さんって、･･･好きな人はいないんですか？」
櫻井さんの好きな人は分かってる。
山本さんだよね。分かってるんだけど、聞きたい。
「いるよ、」
「どんな人ですか？」
「何、さっきの事について聞いてんの？」
くは、っと笑った櫻井さんが「俺がスズカのこと好きだってお前が思うならそうなんじゃない？(笑)」と意味深な答えを出してきた。
「そ、ですか」
言いたいことはいつも、櫻井さんの言葉によって言いくるめられる。
聞きたいことはいつも、確信できる答えをくれずに逸らされる。
ハンドルを握りながら車のステレオをつけて、最近流行りの洋楽を掛けた。
「あ、ちなみにね、」
曲を聞いていた櫻井さんが、思い出したように言う。
「この曲、スズカの好きな曲だよ」
表情を1つも変えずに、真っ直ぐ前を見て言った櫻井さん。
「････え、」
「よく車で聞いてたな。丁度お前が座ってる席でね、ずっとリピート再生するから運転するの辛いの何のって(笑)」
笑いながら昔を思い出すような、そんな柔らかい目線を私ではなく、“山本さんが座っていた席”に向けた。
「結婚する前だったからね」
櫻井さんが前へ視線を戻した途端、低くなった声が車内に響いた。
「今の旦那と結婚する前に、よく聞いてたけどアイツが結婚してからその曲聞いてないな」
避けてたんだよ、その曲。
そう言う櫻井さんの目線が、儚くて、綺麗だった。
「････好きだって言ってますよ」
「････････、」
「櫻井さん、もう少し嘘をつくの上手くなってください」
先輩が悔しそうにその綺麗な唇を噛んだ。
「････････、」
「辛いですよね、片想いって」
辛いです、先輩。
先輩の想いは、山本さんにあるって知って。
片想いって、こんなに辛いって思い出しました。
「････････分かってないよ、お前」
「何がですか」
「････いや、何でもない」
また唇を噛んだ先輩が赤信号の時に、深く深呼吸をした。
*
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アヤカ(プロフ) - いやいや、文章力あるよー！文才か笑笑ほんとに年下かよって思うほど文才ありすぎて怖いよ笑笑 (2017年6月17日 1時) (
レス) id: e8965905e7 (このIDを非表示/違反報告)
みう(プロフ) - アヤカさん» うわー！！読んでくれたの？(;_;)ありがとう(><)面白いとか本当に飛び跳ねる勢いで嬉しい！！文章力はないけど！笑笑頑張るよーん！ (2017年6月17日 1時) (レス) id: bf7054af09 (このIDを非表示/違反報告)
アヤカ(プロフ) - みうー！そっこーで読んだよ笑笑面白かった！やっぱり文章力あって羨ましいわーこれからも頑張ってくださいませー (2017年6月17日 1時) (レス) id: e8965905e7 (このIDを非表示/違反報告)
piropa(プロフ) - りょーかいです (2016年8月15日 23時) (レス) id: ed1acedc9c (このIDを非表示/違反報告)
みう(プロフ) - ゆーさん» 面白かったなんて嬉しいです(´；ω；｀)続編…書きたいと思っておりますので、続編始めた時にはまたお付き合いよろしくお願いします┏○" (2016年8月15日 20時) (レス) id: 2a9c614875 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みう
| 作成日時：2016年1月17日 17時
