40.家族【＊】 ページ41
｢ねぇ、｣
初めて、向き合おうと思った。
家族と、･･･旦那と。
私には、守っていくものがある。
守っていかなければならないものがある。
それは、“家族”だ。
｢うん？｣
｢今までごめんなさい、｣
｢え？なんだよ、急に(笑)｣
ビールを片手にテレビを観ながら急に謝り始めた私を笑う。
可笑しいかもしれない、テレビはお笑い番組で何も謝ることはないって思ってるかもしれない。
でもね、翔くんとサヨナラしてちゃんと反省しないと。って思ったの。
｢これからは、家族にちゃんと向き合いたいの、｣
｢そうなの？(笑)｣
｢あのね、･･･私、｣
｢･･･良かった、｣
｢え？｣
旦那がコトンとテーブルにビールを置いた。
私を見る。
初めて見た、旦那のクシャクシャな顔を。
涙が溜まった瞳を。
・
｢もう、別れるしかないのかと思ってた･･･、｣
｢え･･･、｣
｢知ってるよ、浮気してることくらい、｣
｢･･････、｣
｢お前が、本気で浮気してることくらい、･･･知ってるに決まってんだろ、｣
ポロン、って美しく頬に零れる涙。
翔くんとは違う顔なのに、美しく見える。
この人と一生を共にするんだと決めた日を思い出す。
｢スズカッ･･･、｣
｢･･････、｣
｢俺には、･･･俺にはお前しかいないからッ･･･、｣
ふわっと抱き締められて、耳元で聞こえる鼻を啜る音。
私は、なんて酷いことをしていたんだろう。
自分では隠していたつもりだったけど、知っていたんだ。
知ってた上で、私の嘘に付き合ってくれてたんだ。
私の目にも涙が溜まる。
『ごめん、友達と旅行に行ってくる』
『分かった、楽しんできて？』
『同窓会があるから、夜出掛けるね？』
『同窓会か･･･楽しそうだな(笑)楽しんできて？』
・
｢ごめんなさい･･･、｣
こんな私のことを愛してくれた。
翔くんに夢中になってそれに気付かず、優しさを踏みにじってた。
酷い女だ、私。
｢これから、やり直していこう？｣
なんて心の広い人なんだろう。
浮気をしてる妻に、もう一度チャンスをくれるなんて。
・
｢･･･、今までありがとう。ごめんね、｣
腕を回す。
これから、私たち家族の本当の物語が始まるんだ。
新しい本の真っ白のページを、私たち家族3人で埋めていくんだ。
・
サヨナラ、翔くん。
こんにちは、新しい私。
*
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アヤカ(プロフ) - いやいや、文章力あるよー！文才か笑笑ほんとに年下かよって思うほど文才ありすぎて怖いよ笑笑 (2017年6月17日 1時) (
レス) id: e8965905e7 (このIDを非表示/違反報告)
みう(プロフ) - アヤカさん» うわー！！読んでくれたの？(;_;)ありがとう(><)面白いとか本当に飛び跳ねる勢いで嬉しい！！文章力はないけど！笑笑頑張るよーん！ (2017年6月17日 1時) (レス) id: bf7054af09 (このIDを非表示/違反報告)
アヤカ(プロフ) - みうー！そっこーで読んだよ笑笑面白かった！やっぱり文章力あって羨ましいわーこれからも頑張ってくださいませー (2017年6月17日 1時) (レス) id: e8965905e7 (このIDを非表示/違反報告)
piropa(プロフ) - りょーかいです (2016年8月15日 23時) (レス) id: ed1acedc9c (このIDを非表示/違反報告)
みう(プロフ) - ゆーさん» 面白かったなんて嬉しいです(´；ω；｀)続編…書きたいと思っておりますので、続編始めた時にはまたお付き合いよろしくお願いします┏○" (2016年8月15日 20時) (レス) id: 2a9c614875 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みう
| 作成日時：2016年1月17日 17時
