35.最後の付箋 ページ35
｢櫻井が、4月から大阪に異動になった。1年で戻ってくるけど、その間は櫻井の穴を埋めれるように頑張れ｣
部長が、朝礼で大きな声で発表した。
櫻井さんと目が合う。
フッ、って余裕そうに笑った。
｢え、･･･、｣
隣から聞こえてくる小さな悲鳴。
同期の子達だ。
｢あ、むり･･･｣
｢櫻井さんいないとか、｣
｢1年で帰ってくるんだから！｣
お互いに励ましあってる。
そうだよね、1年って長いよね。
・
櫻井さんによれば、もう山本さんとは関係を終わらせたらしい。
山本さんの夫婦仲は相変わらず良くないみたいだけど、取り敢えずは話し合って終われた。･･･って言ってた。
チラッと山本さんを見ると、目を伏せて櫻井さんを見ないようにしている。
山本さんの櫻井さんへの想いが本当だったことを知って、少し胸が傷んだ。
｢今日も1日よろしくお願いします、｣
櫻井さんの本社での通勤、最後の日。
次ここに来る日は、来年。
最後だというのに、全くそんなのを感じさせないほどいつも通りの櫻井さん。
｢これ、今日中｣
さっき出した資料の上に、今度は隠されずに貼られてるピンクの付箋。
『今日、東京最後のデートでもしますか？』
サッ、と櫻井さんを見る。
クフッ、と笑った。
あぁ、その笑顔反則。
明日、櫻井さんは大阪へと発つ。
もう、寂しくないよ。
だって、心には櫻井さんがいつもいる。
零れる笑みを隠そうとしてるけど、どうしても隠れない。
あぁ、どうしよう。
なんて幸せな悩み。
『楽しみにしてます』
さり気なく櫻井さんの机に貼る。
これも、明日からないんだ･･･。
うん、ちょっとだけ。
ちょっとだけ、寂しい。
目が合った。
くふ、って笑ってクシャクシャな笑顔を見せる。
その笑顔が私を幸せな世界へと連れていく。
・
──また後で。
口パクで伝えてきた櫻井さん。
綺麗な唇が縦になったり横になったり。
その唇が、私だけのものになった。
その唇が、欲しい。
綺麗に弧を描くポッテリとした唇。
その唇に触れられると思うだけで、･･･泣きたくなる。
*
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アヤカ(プロフ) - いやいや、文章力あるよー！文才か笑笑ほんとに年下かよって思うほど文才ありすぎて怖いよ笑笑 (2017年6月17日 1時) (
レス) id: e8965905e7 (このIDを非表示/違反報告)
みう(プロフ) - アヤカさん» うわー！！読んでくれたの？(;_;)ありがとう(><)面白いとか本当に飛び跳ねる勢いで嬉しい！！文章力はないけど！笑笑頑張るよーん！ (2017年6月17日 1時) (レス) id: bf7054af09 (このIDを非表示/違反報告)
アヤカ(プロフ) - みうー！そっこーで読んだよ笑笑面白かった！やっぱり文章力あって羨ましいわーこれからも頑張ってくださいませー (2017年6月17日 1時) (レス) id: e8965905e7 (このIDを非表示/違反報告)
piropa(プロフ) - りょーかいです (2016年8月15日 23時) (レス) id: ed1acedc9c (このIDを非表示/違反報告)
みう(プロフ) - ゆーさん» 面白かったなんて嬉しいです(´；ω；｀)続編…書きたいと思っておりますので、続編始めた時にはまたお付き合いよろしくお願いします┏○" (2016年8月15日 20時) (レス) id: 2a9c614875 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みう
| 作成日時：2016年1月17日 17時
