30.男は大人になってもガキ ページ30
櫻井さんが驚いたように目を見開いて固まっている。
｢頭･･･大丈夫か？｣
・
少し苦笑いをして、本気で私の頭を心配し出す。
今度は困ったように首に手を当てた。
｢俺のこと嫌いだろ？｣
｢嫌い･･･じゃないです･･･、｣
｢は、･･･、｣
｢嫌いなわけ、･･･ないです･･･、｣
嫌いなわけないじゃない。
嫌いならこんなにホイホイ着いて行かないよ。
櫻井さんに誘われて｢はい！｣って仕事終わりに待ち合わせたりしないよ。
｢･･･んだよ･･････調子狂う｣
チッと舌打ちをしたかと思うと、｢あぁ！｣って言いながら頭を掻きむしった。
｢櫻井さんのこと、嫌いだって思ってました、｣
｢･････････、｣
｢意地悪で、ムチャクチャで、｣
｢･････････、｣
｢山本さんには優しいのに、私には召使いみたいな扱いして、｣
｢･････････、｣
｢とっても辛かったのに･･･どこかで喜んでる自分がいたんです･･･、｣
｢ドMかよ、(笑)｣
｢ドMなんだと思います、櫻井さんの近くにいたい。って思ってる時点で｣
・
波が私の言葉を飲み込んでくれたらいいのに。
口からパッと出てしまった。
ホントは、こんな事言うつもりじゃなかった。
｢近くにいたい･･･、って、｣
｢部下、と、して･･･｣
｢あぁ････｣
部下としても、そうだけど。
ホントは違う。
やっぱり伝えたいのは、こんな事じゃない。
櫻井さんと一緒にいられる時間は限られてるのに。
こんな事に時間を費やすなんて･･･勿体ない。
言うべきか、･･･？
ここで想いを伝えるべきか･･･。
・
｢大阪に、･･･お前みたいな部下いるかな？(笑)｣
｢･･･いないで、ほしいです｣
｢なんで？(笑)｣
｢櫻井さんの部下は、私だけなんでしょう？｣
・
｢そうだよ、俺の部下はお前だけだ｣
｢･･･はい、｣
涙が零れそうだった。
私が好きって言われたんじゃない。
だけど、櫻井さんの視界に私が入ってるんだ。って知って、愛しさで涙が視界を覆う。
・
｢俺が意地悪すんのも、ムチャクチャなこと言うのも、全部お前だけだ｣
｢っ、｣
｢スズカに優しいのは･･･なんでだろうね？付き合ってた時の仕草がまだ抜けてないんじゃない？｣
｢っ、｣
｢男って大人になってもガキだからね、好きなヤツには意地悪したくなるんだってよ？｣
*
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アヤカ(プロフ) - いやいや、文章力あるよー！文才か笑笑ほんとに年下かよって思うほど文才ありすぎて怖いよ笑笑 (2017年6月17日 1時) (
レス) id: e8965905e7 (このIDを非表示/違反報告)
みう(プロフ) - アヤカさん» うわー！！読んでくれたの？(;_;)ありがとう(><)面白いとか本当に飛び跳ねる勢いで嬉しい！！文章力はないけど！笑笑頑張るよーん！ (2017年6月17日 1時) (レス) id: bf7054af09 (このIDを非表示/違反報告)
アヤカ(プロフ) - みうー！そっこーで読んだよ笑笑面白かった！やっぱり文章力あって羨ましいわーこれからも頑張ってくださいませー (2017年6月17日 1時) (レス) id: e8965905e7 (このIDを非表示/違反報告)
piropa(プロフ) - りょーかいです (2016年8月15日 23時) (レス) id: ed1acedc9c (このIDを非表示/違反報告)
みう(プロフ) - ゆーさん» 面白かったなんて嬉しいです(´；ω；｀)続編…書きたいと思っておりますので、続編始めた時にはまたお付き合いよろしくお願いします┏○" (2016年8月15日 20時) (レス) id: 2a9c614875 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みう
| 作成日時：2016年1月17日 17時
