23.それなりに ページ23
その日一日、あまり乗り気になれなかった。
櫻井さんにこれから何を告げられるのか。
それだけが頭の中をグルグルと回る。
「はぁ……、」
別に付き合ってる訳じゃないのに、これから別れ話を告げられる彼女みたい。
彼女だったら良かったのに。…なんてね、そんなの考えるだけで贅沢。
・
「今日合コンあるんだけどAも行く？」
同期の子が化粧室から帰って来てさっきよりも濃くなった…じゃなくて、顔が豊かになった顔で聞いてくる。
顔に「来ないで」って書いてある。
何、今日はそんなにアタリなの？
「ううん、私は今日はいいや」
正確には『今日も』だけど、それは言わないでおく。
ついでに言うと、合コンで恋愛なんてありえないと思ってる。
・
一度だけ騙されたことがある。
大学生の頃、友達と合コンに行っては男を品定めし今で言う「チャラチャラしている」女だった。
流石に身体だけの関係は無かったけど、それなりに遊んでいる方だった。
「すきなんだ、」
恥ずかしそうにそう言った、合コンで知り合った男が言った。
テレを隠すように鼻の頭をポリポリ…と掻いて、気まずそうに微笑んだ。
「付き合おう…？」
遠慮がちにそう言った彼に別に『嫌い』という感情はなかったから、まぁいいや。という軽い気持ちで首を縦に振った。
つまり、彼に好意、特別な想いは微塵もなかったのだ。
付き合いたての頃は、映画館、遊園地、海…とか沢山デートをした。
楽しかった。それなりに彼のことも好きになっていたし、彼も私が。
私だけが好きだと思ってた。
「ねぇ、」
「うん？」
「明日、予定空いてる？」
「珍しいな、Aからそんなこと聞くなんて(笑)」
誤魔化すように笑ったあと、「ごめん、その日実家に帰るわ」と言った。
家にいる。ではなく、実家に帰ると。
日曜日に忘れ物をしたことに気づき、貰った合鍵で彼の部屋に入った。
何も変わらない。私がこの前来た時と変わらなかった。
変わった点を挙げるとすれば、玄関の靴箱に押し込まれるようなヒールの影が見えたことだ。
*
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アヤカ(プロフ) - いやいや、文章力あるよー！文才か笑笑ほんとに年下かよって思うほど文才ありすぎて怖いよ笑笑 (2017年6月17日 1時) (
レス) id: e8965905e7 (このIDを非表示/違反報告)
みう(プロフ) - アヤカさん» うわー！！読んでくれたの？(;_;)ありがとう(><)面白いとか本当に飛び跳ねる勢いで嬉しい！！文章力はないけど！笑笑頑張るよーん！ (2017年6月17日 1時) (レス) id: bf7054af09 (このIDを非表示/違反報告)
アヤカ(プロフ) - みうー！そっこーで読んだよ笑笑面白かった！やっぱり文章力あって羨ましいわーこれからも頑張ってくださいませー (2017年6月17日 1時) (レス) id: e8965905e7 (このIDを非表示/違反報告)
piropa(プロフ) - りょーかいです (2016年8月15日 23時) (レス) id: ed1acedc9c (このIDを非表示/違反報告)
みう(プロフ) - ゆーさん» 面白かったなんて嬉しいです(´；ω；｀)続編…書きたいと思っておりますので、続編始めた時にはまたお付き合いよろしくお願いします┏○" (2016年8月15日 20時) (レス) id: 2a9c614875 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みう
| 作成日時：2016年1月17日 17時
