22.小さな紙切れ ページ22
「アナタには、似合わない」
ピシャリと言い放った山本さんが、ゆっくりと視線を下げた。
「･･･知ってます、･･･というか、好きじゃないです」
「そう？(笑)」
・
強がっちゃって、とでも言うように嘲笑った後、「そうしていられるのも今のうちよ」と言い、お金を置いて立ち上がった。
「･･･え？」
「先に戻るわね」
「あ、ちょ･･･」
聞く耳なんて持たずに、遠ざかって行く山本さん。
食べ終わってないお皿が私の目の前にある。
飲み終わっていないカップが私の目の前にある。
どちらも冷えきっていた。
・
私の心も。
・
・
職場に戻る。
そこには何事も無かったかのようにデスクに向かって仕事をする山本さんがいた。
「中村、」
櫻井先輩の声が後ろから聞こえたと思ったら、資料を手に持った先輩が後ろから覗き込んできた。
「お昼、終わったの？」
「あ、はい」
「あ、そう。じゃあ、これよろしく」
そう言って、手に持っていた資料を私に手渡した。
「え、ちょ･･･！」
「何だ？」
「押し付けるなんて酷いじゃないですか！」
「あ？それ、お前がミスした資料なんだけど？」
眉を顰めてガラの悪い顔をした先輩がネクタイをクイッと緩めた。
「え、すいませ、」
「心外だな･･･押し付けるヤツだって思われてたなんて」
「すいませ、ん･･･」
「じゃあ、これも宜しくね」
「え、あ。はい」
小さな紙切れを私に渡してサッと通り過ぎていった先輩。
仕事じゃないのは明らかだ。だって、仕事の紙のサイズじゃない。
ほんとに、小さな紙切れ。
・
『8時に駅前のカフェ』
そう書かれた小さな紙切れ。
急いで先輩を見る。
先輩と一瞬目が合って、フッと鼻で笑った。
頭が混乱する。
会ってどうするの？
何をしたいの？
嫌なことばかりが頭を巡る。
だって、先輩からお誘いなんて。
いいことじゃない気しかしない。
*
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アヤカ(プロフ) - いやいや、文章力あるよー！文才か笑笑ほんとに年下かよって思うほど文才ありすぎて怖いよ笑笑 (2017年6月17日 1時) (
レス) id: e8965905e7 (このIDを非表示/違反報告)
みう(プロフ) - アヤカさん» うわー！！読んでくれたの？(;_;)ありがとう(><)面白いとか本当に飛び跳ねる勢いで嬉しい！！文章力はないけど！笑笑頑張るよーん！ (2017年6月17日 1時) (レス) id: bf7054af09 (このIDを非表示/違反報告)
アヤカ(プロフ) - みうー！そっこーで読んだよ笑笑面白かった！やっぱり文章力あって羨ましいわーこれからも頑張ってくださいませー (2017年6月17日 1時) (レス) id: e8965905e7 (このIDを非表示/違反報告)
piropa(プロフ) - りょーかいです (2016年8月15日 23時) (レス) id: ed1acedc9c (このIDを非表示/違反報告)
みう(プロフ) - ゆーさん» 面白かったなんて嬉しいです(´；ω；｀)続編…書きたいと思っておりますので、続編始めた時にはまたお付き合いよろしくお願いします┏○" (2016年8月15日 20時) (レス) id: 2a9c614875 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みう
| 作成日時：2016年1月17日 17時
