20.１つの選択を間違えただけで【＊】 ページ20
私に良心がないわけじゃない。心がないわけじゃない。
お年寄りがバスとかで立っていたら席を譲るし、ドラマとか映画で悲しくなって涙を流すこともある。
ただ、人より感情の変化が乏しいだけ。最低限の感情だけしか持っていない、と言った方が早い。
・
何年か前のことだ。
「ママ〜」
保育園に預けてるショウタを迎えにいく。無邪気な笑顔で私の方に向かって駆け出した。
「ショウタ、」
「ママ！」
ママ、きいて！今日ね、ユカちゃんと砂遊びしたの！
それとね、ケンちゃん、ナミコ先生に頭ナデナデされてた！
走り出した機関車は急には止められない。そんな機関車のように、今日の出来事を早く話さないと忘れちゃう、と焦っているのか捲し立てながら話出す。
先生に一礼をして、保育園を出る。ショウタの小さい手を握る。
「あしたはね〜またユカちゃんとおままごとしたいな〜」
小さな背中に小さなリュックを背負っているこの子を心の底から可愛くないと思っているわけではない。
ちゃんと、愛している。ただ、他所の家庭より、愛が少ないだけだ。
「ママ？」
「え、あ･･･うん？」
「おしごと、つかれたの？」
「･･･うん、ちょっと疲れちゃった(笑)」
旦那に似ている目元を見る度に、この子は私と旦那のこの子だと思い知る。
この子がいなければ、離婚だって出来た。
そう、後悔する。
「ママ、あれ･･･しょうちゃんじゃない？」
「うん？」
何度かショウタを翔くんに会わせたことがある。それは、遠回りでもいいから、「私は今でもアナタが好き」と伝えたかったからだ。
アナタが好きだから、アナタから一文字取った名前をつけたのよ。
そう伝えたかった。
・
「しょーーーうちゃーーーーん！！！」
ショウタがコートを来て赤いマフラーをグルグル巻いてる翔くんに声を掛けた。
「ちょ、ショウタ！」
翔くんが振り返る。私を見つけてから、下に視線を下げて小さいショウタを見つけた。
・
「おぉ、ショウタ」
「しょうちゃん、あそぼ」
「残念！おじさんはね、これからある女の子の所に行かないと行けないから、また今度ね！」
右手でショウタの頭を撫でた。
ある女の子？翔くんの彼女？･･･翔くんは私のことなんか、もう忘れた？
*
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アヤカ(プロフ) - いやいや、文章力あるよー！文才か笑笑ほんとに年下かよって思うほど文才ありすぎて怖いよ笑笑 (2017年6月17日 1時) (
レス) id: e8965905e7 (このIDを非表示/違反報告)
みう(プロフ) - アヤカさん» うわー！！読んでくれたの？(;_;)ありがとう(><)面白いとか本当に飛び跳ねる勢いで嬉しい！！文章力はないけど！笑笑頑張るよーん！ (2017年6月17日 1時) (レス) id: bf7054af09 (このIDを非表示/違反報告)
アヤカ(プロフ) - みうー！そっこーで読んだよ笑笑面白かった！やっぱり文章力あって羨ましいわーこれからも頑張ってくださいませー (2017年6月17日 1時) (レス) id: e8965905e7 (このIDを非表示/違反報告)
piropa(プロフ) - りょーかいです (2016年8月15日 23時) (レス) id: ed1acedc9c (このIDを非表示/違反報告)
みう(プロフ) - ゆーさん» 面白かったなんて嬉しいです(´；ω；｀)続編…書きたいと思っておりますので、続編始めた時にはまたお付き合いよろしくお願いします┏○" (2016年8月15日 20時) (レス) id: 2a9c614875 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みう
| 作成日時：2016年1月17日 17時
