19.旦那さん ページ19
「私に子供がいるのは知ってるでしょう？」
私をジッと見る大きな目。私は思わず目を逸らした。
「可愛く思えないのよ、旦那との子供だと思うと、」
「･･････････」
「翔くんとの子供だったら良かったのに、っていっつも思って。翔くんよりも旦那を選んだことを毎回後悔するの」
淡々と話を続ける山本さん。何ともないような顔をして運ばれてきた食事に手をつける。
「あのまま翔くんと別れなければ、･････ってね、」
クスッと笑ったあと、パスタをフォークで巻いて綺麗な唇に運んだ。
「･･･でも、旦那さんのことも、好きですよね、･･･？」
「え？(笑)」
「会社で『好き』って言ってたので･･････、」
・
会社でお昼時、山本さんがデスクでお弁当を広げてた。
そこに、女子社員が集まる。
「え？！上手！山本さんが作ったんですか？！」
「ううん、旦那が作ったの」
「えー？！愛されてますね！」
「うん、私も愛してる(笑)」
・
笑いながら旦那さんのことを、『愛してる』と言った。
「真面目に好きだと思ってるの？(笑)」
「え･･･？」
「あんな男を愛すわけないじゃない。愛した時期は確かにあったけど、私がどうかしてたのよ、」
またパスタを巻いて唇に運ぶ。私の目の前にも山本さんが頼んでくれたパスタがあるけど、食べたい気分になれなかった。
「ママ、ママ。って煩いのよ、子供」
「･･････････、」
「ショウタ、って言うんだけどね。翔くんの名前から取ったのよ」
旦那の名前なんて付けたくないし、そう言って笑った。
「旦那は気付いてないのよ、私が冷めてることに、」
「自分を私が変わらず愛してると思ってる。バカよね、能天気すぎて(笑)」
「家に帰ると、『ショウタはもう寝たよ、一緒に風呂でも入るか？』、『ショウタ、もう寝てるからたまには』って身体を重ねようとしてくる、」
「旦那の身体の一部が私に入ると思うだけで吐き気がする。旦那に触れられた所を翔くんに触って欲しいって思う」
「ショウタがお腹にいるって分かってから、旦那と一度も身体は重ねてないの(笑)」
卑劣なことを爽やかな顔をして話してる山本さん。
旦那とは、って。じゃあ、旦那さんじゃなくて、
・
・
櫻井さんと身体を重ねてるの？
*
20.１つの選択を間違えただけで【＊】→←18.珈琲と紅茶の違い
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1454人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アヤカ(プロフ) - いやいや、文章力あるよー！文才か笑笑ほんとに年下かよって思うほど文才ありすぎて怖いよ笑笑 (2017年6月17日 1時) (
レス) id: e8965905e7 (このIDを非表示/違反報告)
みう(プロフ) - アヤカさん» うわー！！読んでくれたの？(;_;)ありがとう(><)面白いとか本当に飛び跳ねる勢いで嬉しい！！文章力はないけど！笑笑頑張るよーん！ (2017年6月17日 1時) (レス) id: bf7054af09 (このIDを非表示/違反報告)
アヤカ(プロフ) - みうー！そっこーで読んだよ笑笑面白かった！やっぱり文章力あって羨ましいわーこれからも頑張ってくださいませー (2017年6月17日 1時) (レス) id: e8965905e7 (このIDを非表示/違反報告)
piropa(プロフ) - りょーかいです (2016年8月15日 23時) (レス) id: ed1acedc9c (このIDを非表示/違反報告)
みう(プロフ) - ゆーさん» 面白かったなんて嬉しいです(´；ω；｀)続編…書きたいと思っておりますので、続編始めた時にはまたお付き合いよろしくお願いします┏○" (2016年8月15日 20時) (レス) id: 2a9c614875 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みう
| 作成日時：2016年1月17日 17時
