18.珈琲と紅茶の違い ページ18
お昼時。社員が集う食堂ではなく会社の近くの静かなカフェ。
目の前に背中をピンと張って珈琲を飲んでいる山本さんが長い髪を耳にかけた。
「飲まないの？」
「え？」
「珈琲？あれ、紅茶だっけ。翔くんは珈琲が好きだよね？(笑)」
まるで私が子供だと言うようにクスッと笑いながら櫻井先輩の名前を出す。
「･･･そうですね、」
「翔くん、紅茶あんま好きじゃなかったような気がする(笑)」
「･････････、」
「男の人って、味覚が合わないとダメなのよね(笑)」
私はダメだと。私は櫻井さんに恋心を抱くことさえもいけないことだと。そう言うように、甘い声で言葉を溢す。
・
「ねぇ、中村さん」
「･･･はい」
「翔くんのこと、好き？」
誘われた時から楽しい話じゃないのは分かってた。だって、私を見る山本さんの目は冷たいし、まずあまり関わらない。
射るような眼差しで私を見ながら綺麗にネイルされた指先で唇を触った。そこに、櫻井さんが触れたのかと思うと、胸が苦しい。
「どうなの？」
「･･････私は、･･･」
言えない、言えるわけない。だって、どう見たって言ったところで私は失恋確定だから。
想い合ってる二人の間に入って「私は櫻井さんが好き」なんて言ったら、失恋した後に、山本さんに嘲笑われる。
そんな恥ずかしいこと、自分からなんてしたくない。
「私は、･･･好き、じゃ･･･ない、です･･･」
「好きなように見えるけどね」
「･･･････････････」
ピシャッと私の言葉を否定するように言葉を放ってまた珈琲をすすった。
私の紅茶は、もうとっくに冷めていて全然美味しそうに見えなかった。
「適当に頼んでおくわね、」
メニュー表なんか見ずに店員さんを呼ぶ。スラスラと手慣れたように頼んでいく。
「かしこまりました」と店員さんがいなくなると、山本さんは口を開く。
・
「ここね、翔くんとよく行くのよ」
綺麗な赤い唇が、弧を描いた。
*
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アヤカ(プロフ) - いやいや、文章力あるよー！文才か笑笑ほんとに年下かよって思うほど文才ありすぎて怖いよ笑笑 (2017年6月17日 1時) (
レス) id: e8965905e7 (このIDを非表示/違反報告)
みう(プロフ) - アヤカさん» うわー！！読んでくれたの？(;_;)ありがとう(><)面白いとか本当に飛び跳ねる勢いで嬉しい！！文章力はないけど！笑笑頑張るよーん！ (2017年6月17日 1時) (レス) id: bf7054af09 (このIDを非表示/違反報告)
アヤカ(プロフ) - みうー！そっこーで読んだよ笑笑面白かった！やっぱり文章力あって羨ましいわーこれからも頑張ってくださいませー (2017年6月17日 1時) (レス) id: e8965905e7 (このIDを非表示/違反報告)
piropa(プロフ) - りょーかいです (2016年8月15日 23時) (レス) id: ed1acedc9c (このIDを非表示/違反報告)
みう(プロフ) - ゆーさん» 面白かったなんて嬉しいです(´；ω；｀)続編…書きたいと思っておりますので、続編始めた時にはまたお付き合いよろしくお願いします┏○" (2016年8月15日 20時) (レス) id: 2a9c614875 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みう
| 作成日時：2016年1月17日 17時
