17.包み込むような香り ページ17
あれから先輩に家まで送って貰い、櫻井さんの背中を見送ってから部屋に帰った。
・
・
｢おはようございます｣
週明けの月曜日。休みがあったのにも関わらず、皆かったるそうな顔をしてデスクに座ってる。
*｢A、おはよー｣
同期がタタタッと私に駆け寄る。
*｢ねぇー聞いた？｣
｢なにを？｣
*｢ユミがね、櫻井さんが山本さんと歩いてるの見たらしいよ！｣
ユミ｢私、･･･櫻井さん好きだったのに･･･｣
*｢でもさ〜･･･｣
・
*｢山本さん、結婚してるよね、子供いるし｣
ヒヤーっと冷や汗が背中に流れる。
｢おはよー｣
先輩と山本さんが２人並んで部署に入ってきた。
チラッと先輩に目線を送る。
先輩も私をチラッと見た。
*「二人一緒に出社か〜････」
*「不倫････ってダメだけど、あの二人ならなんとなく納得しちゃうな〜」
同期たちが、うんうんと頷いた。
皆は知らない。櫻井さんと山本さんが不倫関係なのか。
・
・
また先輩にやり直しさせられてる資料を固い頭で考えながら進めていく。
「分かってると思うけど、今日中な」そう言い残して、踵を返しドスンと自分の椅子に座った櫻井さんを見て、今までだったらムッとしてたのが、愛しく思えた。
あの日から、付箋のやり取りは続いていて、何気ない言葉が必ず添えられてる。私も、何気ない言葉を返す。
『随分と猫背になってるよ』
『すいません、これからは垂直を保ちます』
『お前ってゴリラに似てるよね』
『ゴリラ、可愛いですよね。櫻井さんは、今話題のイケメンゴリラです』
やり直し、と書かれた付箋の下に隠れるように現れるピンクの付箋。
やっぱり捨てられなくて、手帳に挟んだ。
「中村さん、」
「はい、」
「たまには、お茶でもしない？」
お昼が近付いた頃、お腹が微かにギュルギュル鳴り出して、空腹時に起こる何だか分からない気持ち悪さが身体を支配した時。
フワッと、包み込むような優しい香りが鼻を掠めた。
*
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アヤカ(プロフ) - いやいや、文章力あるよー！文才か笑笑ほんとに年下かよって思うほど文才ありすぎて怖いよ笑笑 (2017年6月17日 1時) (
レス) id: e8965905e7 (このIDを非表示/違反報告)
みう(プロフ) - アヤカさん» うわー！！読んでくれたの？(;_;)ありがとう(><)面白いとか本当に飛び跳ねる勢いで嬉しい！！文章力はないけど！笑笑頑張るよーん！ (2017年6月17日 1時) (レス) id: bf7054af09 (このIDを非表示/違反報告)
アヤカ(プロフ) - みうー！そっこーで読んだよ笑笑面白かった！やっぱり文章力あって羨ましいわーこれからも頑張ってくださいませー (2017年6月17日 1時) (レス) id: e8965905e7 (このIDを非表示/違反報告)
piropa(プロフ) - りょーかいです (2016年8月15日 23時) (レス) id: ed1acedc9c (このIDを非表示/違反報告)
みう(プロフ) - ゆーさん» 面白かったなんて嬉しいです(´；ω；｀)続編…書きたいと思っておりますので、続編始めた時にはまたお付き合いよろしくお願いします┏○" (2016年8月15日 20時) (レス) id: 2a9c614875 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みう
| 作成日時：2016年1月17日 17時
