13.頭の中で、溢れてる ページ13
ヒールなんて適当に履いたから靴擦れをして物凄く痛い。
でも、そんなの気にならないくらい胸が痛い。
・
櫻井さんが、行ってしまう。
・
行かないで、櫻井さん。
胸が張り裂けるように、心の声が大声を上げて叫び出す。
ヒールなんか履かなきゃ良かった。社会人だけど、スニーカーなら良かった。
何せ、走り辛い。ヒールの踵が今にも折れそうで足元が物凄く不安定、しかも足がものすごくとろいせいで全く道が進んでない。
っていうか、寒い。上着ぐらい着てくれば良かった。って今更後悔。
｢もう、いないよね･･･、｣
もういいや、どうせ私が追いかけた所で･･･、
繁華街だ、まだ安全な時間だけどやっぱり女1人は心細い。
荷物取りに行って、帰ろ。
サッと踵を返す。同時に、心から思いが溢れる気がした。
・
・
｢ねぇねぇ、｣
トボトボ、自分の足元を見ながら歩いていた。
｢ねぇってば｣
右肩を低い男の人の声と同時に掴まれた。
｢･･････、｣
｢１人でしょ？お金持ってんだけど、ちょっと俺らと遊ばない？｣
男の腕が首に回って、肩を組む形になった。
男から匂うお酒の匂いが鼻いっぱいに広がってきて、思わず噎せそうになった。
｢あれ？真冬に上着ないの〜？｣
さり気なくボディータッチをされる。
こっちもさり気なく避けてやった。
｢お酒1杯でいいからさ？ね？｣
｢･･･嫌です｣
｢何でよ〜？｣
｢･･･離れてください、｣
チャラチャラした格好をして、それがカッコイイって思ってるのかも知れないけど櫻井さんの方がカッコイイ。櫻井さんがチャラチャラしててもカッコイイと思うけど。
櫻井さんはこんなお酒臭い匂いを漂わせたりしない。いっつも身嗜みに気を使ってきちんとしてる人だもん。
毎回、私のデスクに来る時と去る時、風に乗って爽やかな香りが鼻に広がる。
・
・
私、全然諦められてない。
こんなにも、頭の中が櫻井さんでいっぱいなのに。
諦めるなんて、無理な話。
*
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アヤカ(プロフ) - いやいや、文章力あるよー！文才か笑笑ほんとに年下かよって思うほど文才ありすぎて怖いよ笑笑 (2017年6月17日 1時) (
レス) id: e8965905e7 (このIDを非表示/違反報告)
みう(プロフ) - アヤカさん» うわー！！読んでくれたの？(;_;)ありがとう(><)面白いとか本当に飛び跳ねる勢いで嬉しい！！文章力はないけど！笑笑頑張るよーん！ (2017年6月17日 1時) (レス) id: bf7054af09 (このIDを非表示/違反報告)
アヤカ(プロフ) - みうー！そっこーで読んだよ笑笑面白かった！やっぱり文章力あって羨ましいわーこれからも頑張ってくださいませー (2017年6月17日 1時) (レス) id: e8965905e7 (このIDを非表示/違反報告)
piropa(プロフ) - りょーかいです (2016年8月15日 23時) (レス) id: ed1acedc9c (このIDを非表示/違反報告)
みう(プロフ) - ゆーさん» 面白かったなんて嬉しいです(´；ω；｀)続編…書きたいと思っておりますので、続編始めた時にはまたお付き合いよろしくお願いします┏○" (2016年8月15日 20時) (レス) id: 2a9c614875 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みう
| 作成日時：2016年1月17日 17時
