11.それだけの勇気がない僕は【S】 ページ11
華の金曜日、会社の近くの居酒屋でワイワイ皆が楽しそうに笑ってるのを、腕時計を確認しながら見てた。
約束の時間まで、あと30分。歩いてすぐのバーで待ち合わせしたから、15分前に出れば間に合う、って考える。
ふとアイツを見れば、男並みの勢いでビールを飲んでて、ふっと頬が緩んだ。
似てるな、スズカに。
笑った時の顔とか、怒った時の顔、不貞腐れた時の顔。
全部スズカに重なって見えて、胸が苦しくなったのを覚えてる。
・
・
スズカと付き合い出したのは、今から約5年前。
面接で同じグループになったことが、きっかけだった。
彼女の趣味と俺の趣味はバッチリあって、当たり前の様に意気投合。
付き合い始めるのに、そんなに時間は掛からなかった。
幸せだった。仕事は順調に進むし、スズカとも上手くいってた。
そんなとき、俺がいけなかったのかな？重大な役割を初めて持てて張り切ってた時、残業が続いた。
半同棲と化した俺の部屋に、スズカを1人にすることが多くなった。
気持ちが、俺じゃない奴に向いた。
ただ、それだけのことだ。
＿＿「ごめん、翔くん。好きな人が出来ちゃったの･･･、」
泣きながら事実を伝える彼女を、どうしても嫌いになれなかった。
＿＿「そっか、･･････」
言葉が喉から飛び出てこなくて、声が詰まる。ついでに、胸も詰まったように苦しかった。
＿＿「ごめんなさ、･･････」
嗚咽を響かせながら、華奢な肩を震わせる彼女を抱き締めたかった。
・
・
出来なかった。伸ばした手が、震えてて、触れてはいけないんだと知った。
＿＿「しょ･･････、くん」
＿＿「大好き“だった”よ･･････、」
頭から離れない、か細い声。
震えるスズカの姿が、今でも頭に焼き付いてる。
*
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アヤカ(プロフ) - いやいや、文章力あるよー！文才か笑笑ほんとに年下かよって思うほど文才ありすぎて怖いよ笑笑 (2017年6月17日 1時) (
レス) id: e8965905e7 (このIDを非表示/違反報告)
みう(プロフ) - アヤカさん» うわー！！読んでくれたの？(;_;)ありがとう(><)面白いとか本当に飛び跳ねる勢いで嬉しい！！文章力はないけど！笑笑頑張るよーん！ (2017年6月17日 1時) (レス) id: bf7054af09 (このIDを非表示/違反報告)
アヤカ(プロフ) - みうー！そっこーで読んだよ笑笑面白かった！やっぱり文章力あって羨ましいわーこれからも頑張ってくださいませー (2017年6月17日 1時) (レス) id: e8965905e7 (このIDを非表示/違反報告)
piropa(プロフ) - りょーかいです (2016年8月15日 23時) (レス) id: ed1acedc9c (このIDを非表示/違反報告)
みう(プロフ) - ゆーさん» 面白かったなんて嬉しいです(´；ω；｀)続編…書きたいと思っておりますので、続編始めた時にはまたお付き合いよろしくお願いします┏○" (2016年8月15日 20時) (レス) id: 2a9c614875 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みう
| 作成日時：2016年1月17日 17時
