Clear‐Crane‐Crime 8th【ars M.A】 (ページ3)

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248.GLASSES。ページ3

「潤くんだって、えろ本くらい読むわ。何だったらAVだって観るわ」

ねぇ？って二宮さんが潤さんに同意を求める。

「アハハッ！そりゃ、俺も男だからね。むしろ好きだよね」
「貴族なのに...」
「庶民庶民！」

潤さんがケラケラ笑ってる。
でも何か、逆に親近感で余計格好良く見えるんだから。イケメンってズルい。

そんなどうでも良いような話をちょっとの間して、潤さんは仕事に戻って行って

雅紀くんも「そろそろ下りなきゃ」ってハットを被った。
跳ねてた後ろ髪も隠れた。

「じゃあ、行ってくんね」

カコン、と音を立てて

雅紀くんが赤いロリポップを口に入れる。

きっと、その瞬間に彼はスイッチを入れ替えてるんだ。
目付きまで、変わる。

ベースから、二宮さんと並んでフロアを見下ろした。
あ、そっか。
たいてい私はこうやって二宮さんの隣に居るから、二宮さんの彼女だって噂になってるのか。

まぁ、その方が好都合なのかな？DJマサキ的には。

「今日も絶好調に触られてんね」
「そうですねー...」
「男が女の子をあんなに触ったらチカンって言われんのに、何で逆だとハーレムだとか言われて男が得してるみたいになるの？」
「フフッ、二宮さんなら触っても喜ぶ女の子の方が多いんじゃないかな？」
「マジで！？......って、騙されねぇぞ。でも子はオレをチカンにする気だな...」
「そんなワケ無いでしょー！」

二宮さんとバカ話して、自分のモヤモヤした嫉妬心から目を逸らす。

やっぱり何度見ても、彼氏が可愛い女の子達に囲まれてるのは良い気分では無い。

だけど、雅紀くんがブースに立った時そんなコトどうでも良くなった。

「あ。DJマサキ、ニュースタイルじゃん」
「......」

雅紀くんが、眼鏡を掛けてる。

私があげた、あの眼鏡。

『信じてて』って言った雅紀くんの声を思い出す。

「何ニヤニヤしてんのよ」
「え？フフッ」
「堂々とデレんなよー」
「眼鏡、似合うなぁと思って」
「オレだって似合ってたでしょ？こないだ」
「...あ、あぁ、あー！掛けてましたね！」

ムカつく、って笑った二宮さんが体当たりして来た。

私の物だった眼鏡を、雅紀くんが掛けてくれてる。

DJをしてる時の彼は、本当に自分の彼氏なのかって不安になるけどあんなコトしてくれたらそんな不安、簡単に消えて行く。

「あ...もしかしてあの眼鏡ってこないだ...」

二宮さんが私をチラっと見て

「なるほどね」と、笑った。